北太平洋は、アジア大陸の東側に位置し、世界の海の約
20〜30%を占める非常に広大な海です。太平洋は地球規模 での深層大循環における終着点にあたり、特に高緯度である 北太平洋亜寒帯域は、世界的にも非常に栄養塩が豊富で生物生産が高い海域だといわれており、豊富な漁業資源を持つことでも知られています。北太平洋の海洋学的特徴は、我が国東方では表層の亜熱帯循環系と亜寒帯循環系が接しており、
亜熱帯・移行領域・亜寒帯域と異なった水塊が南北に存在し ます。西部には西部亜寒帯循環、東部にはアラスカ循環が存在し、それら2つの表層循環系の循環パターン変動は、全球的な気候パターンの変動と密接に関連しているともいわれています。
このように広大で、変化の富んだ海洋学的特徴をもつ北太平洋は、全球的にも、気候変動と大きな関わりを持ち、 海洋の物質循環・生態系への影響が大きい重要な海域であると考えられます。
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現在、人工衛星から地球表面を観測するリモートセンシン
グ技術が急速に発展し、海面の日射量、海面水温、海上風ベクトル、海面高度、海氷分布、水蒸気量等の物理的環境と植物プランクトン濃度、基礎生産速度等の海洋生態系の応答に関する情報を定常的に得ることができるようになってきました。さらに、衛星データを入力パラメータとして、海洋の基
礎生産速度や、硝酸イオン濃度、二酸化炭素分圧等も見積もることが可能となっています。衛星観測は、海洋環境を瞬時に広域を繰り返し観測でき、様々な時空間スケールで海洋表層の諸現象を捉えることができることから、地球環境変動機構の解明に有用な道具として注目されています。
北太平洋における植物プランクトン濃度および基礎生産の 季節変動及び経年変化を明らかにし、海洋表層でおこる物 理・化学過程との関係を理解するため、複数の環境要素を同
時に観測できる衛星マルチセンサー(クロロフィルa濃度・基 礎生産・水温・海上風データ・硝酸イオン濃度等)を用いた時
系列解析研究をこれまで行ってきました。 |