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  平成18年9月15日、千葉市のオークラ千葉ホテルに於いて、 財団法人千葉県環境財団千葉県地球温暖化防止活動推進センターによる「平成18年度地球温暖化防止活動推進員等研修会」が開催され、 地球温暖化研究プログラムの江守正多グループリーダー(GL)が講演を行いました。千葉県地球温暖化防止活動推進員は、 地球温暖化の現状や防止対策についての普及啓発活動などを目的に千葉県から委嘱されるもので、現在は407名が推進員としてボランティア活動を行っています。 講演中の江守正多GL
講演中の江守正多GL
千葉県地球温暖化防止活動推進センターでは、平成12年に設立以来、県、市町村や民間の 団体と協力して地球温暖化防止活動に取り組んできています。今回の研修会はその活動の一環で、千葉県の推進員を対 象に、各分野の専門家を講師として招き、毎年開催しているものです。
  講習会では江守GLを含む2名の講師による講演がありました。最初に、環境省関東地方環境事務所環境対策 課の岸野和弘課長補佐より「地球温暖化問題について」の講演があり、地球温暖化の影響や国内の対策、そして地方自治 体の取り組みなど、国民1人1人が身近な問題として感心を高めていくべき取り組みが紹介されました。次に江守GLより、 「地球温暖化の予測とその信頼性」というタイトルで、地球温暖化予測研究プログラムが東京大学気候システム研究セン ター、国立環境研究所と共同で行った温暖化実験の成果の紹介や、地球温暖化研究とその信頼性、不確実性、改善方法な どにつき、研究者としての地球温暖化の知見を紹介しました。江守GLは、「科学者は研究成果を出し、それを正しく社会 に伝える使命があります。しかし、その先は社会が決めて行くことです。」と、推進員の今後の取り組みの重要性を伝え ました。
  この日は140名の推進員の出席があり、メモを取りながら大変熱心に講演を聞いていました。江守GLの講演が、 推進員の地球温暖化研究への理解、また今後の活動に少しでも役立つよう願います。
 
Awards

  平成18年4月8日、生態系変動予測研究プログラムの千葉早苗研究員が水産海洋学会2005年度論文賞を受賞しました。 受賞対象となった論文は、Chiba S, Hirota Y,Hasegawa S, Saino T (2005) North-south contrasts in decadal scale variations in lower trophic level ecosystems in the Japan Sea. Fisheries Oceanography. 14: 401-412です。
  水産海洋学会は「生物資源と環境の相互作用を明らかにし、水産業の発展に寄与する」ことを目的に1962年に設立されました。
千葉早苗研究員
千葉早苗研究員
  水産海洋学会論文賞は、科学誌「FisheriesOceanography」および「水産海洋研究」に掲載された学会員の論文から毎年 2編に対して授与されるものです。「Fisheries Oceanography」は、水産学および海洋学に関する国際学術誌として近年高い インパクトファクターを獲得しています。今回の受賞は、当該研究が気候変動に対する海洋生態系の応答過程の解明を通じて 水産海洋学に貢献した点を評価されたものです。
  受賞論文では、1960年代から90年代にかけて収集された海洋・生物データセットに基づき、日本海の亜寒帯域(北部)と 対馬暖流海域(南部)における春季の低次生態系の経年変動のメカニズムを比較しました。その結果、どちらの海域でも 1970年代半ばにおこった北太平洋の気候のジャンプに応じた海洋構造の変化が認められましたが、それに対する植物/動物 プランクトンの応答は、光が生産の制限要因となる北部と栄養分が制限要因となる南部で異なることを明らかにしました。こ のような海域比較研究は、気候変動に対する地球規模の生態系の応答を統合的に理解する上で不可欠なアプローチです。また、 1970年代半ば以降、日本海を含む我が国周辺は冬季寒冷化したことが良く知られており、それが春季の生物生産の変動要因 であるとこれまで論じられてきました。しかし、本研究では、同時期に春は例年より逆に温暖化しており、その結果春季の低 次生物生産が増減したことを明らかにした点で意義があるものです。
学会賞ホームページ:http://www.jsfo.jp/intro/awards.html
 
Frontier Newsletter/No.30
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