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  水循環変動予測研究プログラムの安成哲三プログラムディレクター(PD)が、8月30日に岡山大学で開催された水文・ 水資源学会にて国際賞を受賞されました。受賞理由は、「国際共同研究プロジェクト『アジアモンスーン・エネルギー・水 循環観測計画(GAME)』の企画・実施を通じたアジアモンスーン地域の水資源、水災害に関わるエネルギー・水循環過 程の実態解明およびそのモデリング研究の推進」を高く評価されたことによるものです。
  「アジアモンスーン・エネルギー・水循環観測計画(GEWEX Asian Monsoon Experiment,GAME)」は世界気候研究 計画(World Climate Research Programme, WCRP)の副計画である全球エネルギー・水循環研究計画(Global Energy and Water Cycle Experiment, GEWEX)のもとで実施されたアジアで初めての複合的な大陸スケール観測実験プロジェ クトです。また、わが国においては、水文・水資源学分野、気象学分野の研究者が密接に協力し、アジアの研究者、気象 機関、水文機関と包括的に連携して進めたわが国初めての国際共同プロジェクトでもあります。GAMEは第1期(1996- 2001)にシベリアタイガ林とツンドラ地帯、チベット高原、ワイ河流域、チャオプラヤ川流域の4地域に大陸スケール観 測実験研究領域を設定し、1998年の強化観測年(IOP)を含む観測的研究により、エネルギー・水循環過程関連するデー タが包括的に蓄積されました。また、GAME第2期(2002-2004)では、これらの観測データに加え、TRMM衛星デー タ、GAME再解析データなどによる、アジアモンスーン地域での大気・陸面間のエネルギー・水循環過程の詳細な解析と モデリング研究が行われました。
  これらの研究は、38冊のプロジェクト報告書、7組のCD/ROM、科学雑誌特集号(気象集誌、Hydrological Processes) としてまとめられ、国内外で267の審査付き学術雑誌論文、国内で57の博士論文、94の修士論文という膨大な科学技術的 成果を生み出しました。GAMEの主要な部分はわが国では科学研究費補助金特定領域研究として推進されましたが、科学 技術・学術審議会学術分科会による事後評価では、「気候・水文モデルに必要な広域かつ詳細なデータが計画班の緊密な連 携のもとに収集・解析され、森林伐採による気候変動などにも適用できるようになっており、十分な成果が得られたと判 断することができる。気象予報や生態圏の保護発展にもつながる社会的価値のあるデータであることから、今後のデータ 公開や体系化にも期待したい。」と高く評価されました。
  安成哲三プログラムディレクターは、GAME国際科学パネル議長、GAME実行委員会委員長、特定領域研究の研究代表 者として、水文学、水資源学、気象学に関わる多くの国内外の研究者、政府機関を束ね、わが国の、そしてアジアの、科 学技術国際研究の金字塔ともいえるこの国際共同研究プロジェクトを成功に導きました。
 
Frontier Newsletter/No.30
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