Newsletter No.7 July-1999 



 本ニュースレターでは、世界の地域変動研究機関をシリーズで紹介しています。シリーズ第6回目の今回は、昨年6月に地球温暖化予測研究領域に参加されたランスミスさんに、「プリンストン大学 環境工学水資源プログラム」を紹介していただきます。



プリンストン大学 環境工学水資源プログラム(EEWR)
プリンストン、ニュージャージー州 08544 米国
電話:+1-609-258-4018
ホームページ:http://www.princeton.edu/~eewr/


 私は、地球フロンティアの地球温暖化グループに参加する前はプリンストン大学の大学院で環境工学水資源プログラムを専攻し、ピーターR.ジャフィ教授に師事していました。

 環境資源学科における研究テーマには次のような分野が含まれます。水質化学と生物学、地球微生物学,環境における化学汚染物質の予測・輸送の測定とモデルリング,水文気候学(水循環とその気候への影響の測定とモデル化),数値モデルリング(相変化を伴う液体の流れといった土壌中の間隙サイズの過程の理論モデルと新しい数値スキームの開発を含む),嵐と降雨の統計的分布の研究,その他(研究計画の詳細は、ホームページhttp://www.princetion.edu/~eewr/を見て下さい)。

 EEWRでの私の学位論文のテーマは、「有機的底質(天然起源の有機化合物や変質した炭化水素)の生物分解の影響を受けた堆積物に含まれる微量金属の分解と移動のモデル化」でした。私の研究は主に淡水系(湖底や河底の沈積物)でしたが、海底堆積物中の生物分解や炭素循環を研究している研究者達から多くのことを学びました。それにより私は次第に、地球規模及び海洋中の炭素循環や栄養循環に関連する問題に、より興味を覚えるようになったのです。院生生活も終ろうとする頃には、自分の学部やエネルギー環境研究センター、地球科学部、プリンストン環境研究所、ウードロウィルソン校(一般向け講義)及び構内の他の学部での講義から、さらに人間活動による炭酸ガスの放出と地球温暖化の可能性についての研究問題により興味を持つようになりました。

 私は、支えてくれる教職員、スタッフ、特にこの研究を追求していくよう私を後押ししてくれた指導教官であるピーター・ジャフィ氏と共に仕事ができ、幸運でした。

 幸運にも、私は米国地球物理学連合のEOSニューズレターの中に地球フロンティアの公募案内を見つけ、今日に至った次第です。ここには、有能で知り合うほど面白い研究者達と一緒に仕事が出来てとても幸せです。ここでの私の研究、海洋中で粒子状有機炭素(POC)の沈降と溶解のモデル化の試みが大学院時代に研究したこととあまりに近いので驚いています。「私たち人類の大気中への二酸化炭素の放出が地球の温度を上昇させているのか?そうであるなら、どの程度?それを私たち人類が予想することができるか?」といった非常に大問題に、多少なりとも私の研究が役立てば満足です。


「地球フロンティア研究システム平成10年度研
究成果発表会」にて発表するラン・スミスさん
Dr.S.Lan Smith presenting the result at
the 1998th research meeting in FRSGC
 こういった地球規模の問題に着手するのには、生物や化学および物理学的な多くの現象が合わさった影響を定量化する必要があるので学際的なアプローチが必要です。EEWRでの一つの強みは、様々な学部間の研究協力が容易に得られるという学際的な特色を持っていることです。EEWRのようなところは、FRSGCで行っているような地球規模の研究課題に対して特に価値ある教育を提供出来ると信じます。この他、EEWRでは院生達を同僚として接して下さる教職員やスタッフの雰囲気は、すべての院生に価値のあるすばらしい経験をもたらしています。また、とても、楽しく!
 うーん、でも、それは時々かな…。


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