これまで遠洋水産研究所では、気象研究所、気象庁、水路部等とのプロジェクト研究
「アジアモンスーン機構に関する研究」(科学技術庁海洋開発及地球科学技術調査研究促進費課題
;平成元年〜10年)の中で、インド洋の海洋構造と変動様式の把握およびENSOとの関連性に関する
調査研究を行ってきた。平成11年度からは、新たにJAMSTEC(観測フロンティア気候変動観測研究領域
;竹内謙介領域長)の形で行うことになり、この調査研究の発展課題として本共同研究契約を
遠洋水研−JAMSTEC間で結び、調査・研究を進めることになった。
10年間に及ぶ促進費課題の調査研究の結果、これまで観測自体が不十分であったインド洋の海洋循環、
季節変動、経年変動およびENSOとの関連性に関する新知見が明らかとなってきた。
これらの研究成果をふまえ、本共同研究では、ENSOと密接に関連した変動を持つインド洋の貯熱量や
海洋循環による熱輸送の実態を定量的に把握するための調査研究を行う。平成11年度はインド洋を
中心に、WOCE/CLIVARのIX6(スマトラ北端とモーリシャス間のXBT高密度観測)定線観測と漁船による
ボランティア観測(東部インド洋および西部インド洋)を行う。IX6観測は、平成12年1月に、
コンテナ船Delmas BlossevilleによりXBT観測を行う予定であるが、本共同研究を開始するに当たり、
インド洋の海洋構造を詳細に観測するため、平成11年11月上旬に、水産庁調査船開洋丸を用い、
本定線上のXCTD(航走中2時間毎の計94測点)、ADCP(約700m以浅の流向流速プロファイル)、
自動気象観測等を行った。
今後、今年度の観測計画を実行し、調査結果の解析を行うとともに、次年度以降も、
インド洋・西太平洋赤道域を中心とした海洋観測を継続し、インド洋の海洋変動や熱輸送量の定量的把握を
行い、ENSO等の海洋気候変動に果たすインド洋の役割を明らかにして行きたい。
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