インド洋の大気海洋結合系力学
国際シンポジウム開催報告

(12 月17 〜18 日、東京)

球変動研究所(海洋科学技術センター[JAMSTEC]/宇宙開発事業団[NASDA ])とIPRC (ハワイ大学/地球フロンティア研究システム[FRSGC])の共同主催により、去る2001 年12 月17 〜18 日、東京プリンスホテルにおいて「インド洋の大気海洋結合系力学」に関する特別シンポジウムが開催されました。

講演する山形領域長


 今回のシンポジウムは気候変動予測研究領域山形領域長とDr.J.P.McCreary Jr.が招集し、文部科学省、日本気象学会、日本海洋学会、および米国海洋大気庁の共同スポンサーにより行われました。

 シンポジウムはインド洋における結合系力学について一流の科学者が一同に会して意見の交換を行う、初めての国際会議となりました。インド洋についての活発な研究活動が始まりつつある中で、このシンポジウムは時宜を得たものでした。日本、オーストラリア、中国、フランス、インド、イタリア、南アフリカ、英国、米国から50名の科学者が参加し、インド洋の推移についての興味深い研究結果を発表しました。

 このシンポジウムの最も重要な成果は、インド洋双極子振動(IOD )が全球気候変動に与える影響を同定できたことです。エル・ニーニョ/南方振動(ENSO )とIOD がある地域では補完効果を持ち、別の地域では相互に反対の効果を持つことから、このことはこれまで認識されていませんでした。古気候、海洋生態系、大気化学におけるIOD関連の新たな方向性についてハイライトした研究発表もいくつかありました。化石珊瑚記録などの古気候データを高度に分析することによって、6000年間のIODの推移が明らかになります。

シンポジウム会場の様子


  このシンポジウムには当然ながら300人にものぼる多くの聴講者が集まりました。今回のシンポジウムは一般に公開され、まずJAMSTEC平野理事長の歓迎の挨拶、続いて文部科学省・海洋地球課の大塚課長、NOAA-OGP ・オーストラリア・アジア地区担当Dr. S.Thurston 、およびFRSGC の松野システム長による開会の言葉で始まりました。

シンポジウムは6つのセッションからなり、結合系力学(議長:D r .Godfrey と山形領域長)、IOD が他地域の気候に与える影響(議長:D r.McCreary )、モンスーン、ENSO 、IODの相互作用(議長:Dr. Goswami とDr.Navarra )、他の学問分野におけるIOD(議長:Dr. Xie とDr. Wajsowicz )、海洋変動(2 )(議長:Dr. Lukas 、Dr. Shetye 、Dr. Delecluse 、松野システム長)、大気変動(議長:Dr.中村気候変動予測研究領域グループリーダー)の各セッションが持たれました。

会議の終わりには、インド洋の結合系力学の研究促進の奨励と、今回のような機会を今後も定期的に作るべき旨が述べられました。シンポジウムはNASDA古濱理事の閉会の辞で幕を閉じました。