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予測実験データ
 
「K7 顕著年における結合同化プロダクト」を用いた予報可能性実験
 
「K7 顕著年における結合同化プロダクト」を用いた予報可能性実験
「K7 顕著年における結合同化プロダクト」を用いた予報可能性実験
「K7顕著年における結合同化プロダクト」を用いたNINO3.4の「予報」実験例。9ヶ月の同化 期間で得られた1997年1月1日の海洋初期値を用いて大気海洋結合計算を2年間行なった。 青線は1997年1月1日の大気を初期値とした実験で、緑線は前後5日(1996年12月27日 から1997年1月6日)に1日づつ大気の日付をずらしたアンサンブルメンバー。赤線は アンサンブルメンバーの平均と標準偏差を示す。黒線は観測されたNINO3.4 SST (Reynolds SST) (注:9ヶ月の同化期間というのは、海洋初期値を作成した顕著年 同化において観測を取り入れた期間であり、本実験では初期値から手を離したあとは、 大気海洋モデルは自由に時間発展をする。)
 

共生課題7では「K7顕著年における結合同化プロダクト」(以下、「顕著年同化」)を応用 して、予報可能性実験を行なっている。「顕著年同化」では大気海洋結合モデルの時 間発展が9ヶ月間の観測値に近づくように海洋初期値と10日間ごとのバルク係数を制 御した。このうち海洋初期値のみを用いて、その後は自由に大気海洋結合計算を行 なったらどうなるだろうか?もちろん、9ヶ月の時間発展の観測値を取り込んで初期値を 作っているので、少なくとも9ヶ月間はこれを純粋な予報計算ということはできない。しか し、もし初期値のみでも良い結果が得られるならば、そのような初期値が存在するという 意味において予報可能性があることが確認できる(予報不可能なシステムではそもそも 良い初期値を見つけることは不可能である)。
図は実験の1例で、顕著年同化で得られた海洋初期値を用いてNINO3.4を「予報」した ものである。バルク係数の制御なしでも大気海洋結合モデルは観測に近い時間発展を している。すなわち、このモデルには1997/1998年のエルニーニョの予報可能性がある ことが確認できた。
また、初期値作成する時に観測値を取り込んだ9ヶ月を超えても長期にわたってモデル が観測を予報できていることに注目してほしい。四次元同化は、瞬間的な観測値を用 いて初期値化を行う他の同化手法とは異なり、ある期間にわたる観測の時間発展を取り 込んで初期値化を行なうのが特徴である。我々の結果は、世界初となる大気海洋結合 モデルの四次元同化を用いて、ある観測期間を助走として取りこみ初期値化を行なえ ば、従来手法よりも長期にエルニーニョなどの予報を行なえる可能性を示唆する。
現在、共生課題7では、同化期間を一ヶ月にするなど、より現実的な予報システムの 構築にむけて実験を進めており、随時このWEBページにて結果を公表する予定である。

 
WEB STAFF