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概要 地球環境に及ぼす二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素等の温室効果気体に関する研究の重要性はますます大きくなってきています。また、オゾンについても成層圏のオゾンホールの問題だけでなく、排気ガスに起因する対流圏のオゾンについても、その温室効果や人体への強い毒性、酸化剤となるOH をつくり出すことによる大気成分への影響の観点から研究が必要です。さらに太陽光を反射して地表を冷却する効果をもつエアロゾルも温暖化の評価に重要であるなど、これら大気微量物質は気候の変動や地球環境変動のメカニズムを解明するにあたって重要な研究課題となっています。 このため、衛星の観測や地上観測などの観測デ−タを基にして、大気微量物質の循環過程を研究することにより、地球温暖化をはじめとする種々の大気環境変動に複雑に関係している大気微量物質の濃度変動、大気組成変動について解明し、この効果を取り入れた地球変動の予測モデルをつくります。 大気組成とは? 現状の大気の成分は78.1%は窒素が占めており、以下酸素20.9%、アルゴン0.93%、二酸化炭素0.04%、水蒸気0.0〜3.0%、ネオン1.8×10−3の順となっています。 ![]() 地球の地表付近の大気組成
従来大気中の成分は火山活動や惑星の衝突等により急激に変化する他は消費された分が主に植物や動物の活動によりリサイクル(=循環)されることにより比較的安定した推移を続けてきました。例えば窒素は、自然界では土壌や水の中で硝酸アンモニウムを含む化合物や亜硝酸塩等に変換されるが、火力や稲妻、特殊な生物により固定されます。固定された窒素は植物により、根より吸収され、アミノ酸→タンパク質と変換されて、枯死した場合、または動物に食べられ排泄物となった場合、または食べた動物が死体となった場合にバクテリアの分解作業等によりガスに戻ります。硫黄も同様に何らかの化合物になり、植物に取り込まれ、消費された後でバクテリアに分解され、ガスに戻ります。 また、炭素については光合成により植物に取り込まれ、呼吸や枯死後の腐敗を経て大気中に戻ります。 人間が関与しない場合は、このような形で大気の成分の循環が行われるため、火山活動や惑星の衝突以外では大気の組成等に大きな変化は表れませんでした。 しかし、産業革命以降は、人間の手により、長期間をかけて自然の力により作られた石化燃料が急激に消費されるようになり、約150年後の現在では二酸化炭素の濃度が20〜30%増加し、また、通常自然界には微量しか存在しない物質や存在しない物質も大気中で増加する傾向が出始めてきました。 そのようなことを背景として考えると現在の大気の組成の変動のほとんどは人間がもたらしているものと想定されています。 ただし、人間の活動と大気成分の増加の定量的な関係はまだ完全に解明されているとは言えず、これについては今後の課題とされています。 |
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