インド洋・太平洋における気候変動の予測に関する国際シンポジウム
(Symposium on Predictability of Climate Variations in the Indo-Pacific Sector)の開催報告

日本学術振興会・海洋研究開発機構地球環境フロンティア研究センター・
APEC気候センター・文部科学省/主催

3月8日(日)・9日(月)品川プリンスホテル

海洋研究開発機構 地球環境フロンティア研究センター 研究推進室


日本学術振興会、海洋研究開発機構地球環境フロンティア研究センター(FRCGC)、APEC気候センターならびに文部科学省では、日本海洋学会、日本気象学会の後援のもと、平成19年3月8-10日にわたり品川プリンスホテル及びホテルおかだにおいて、国外から22名、国内から17名の講演者を招き、上記国際シンポジウムを開催致しました。


シンポジウムは、国内外の著名な研究者による招待講演を中心に行われ、ENSOやIODを中心とする短期気候変動予測研究活動に関してのこれまでの研究をレビューし、今後取り組むべき課題を先端的研究として議論しました。 今回のシンポジウムのメインテーマの一つはAPEC気候センターとの連携でした。今後、この連携の下で、基礎及び応用研究を含む幅の広い研究活動を展開する下地ができました。特に、先端的大気・海洋結合モデルを用いての予測可能性実験研究は、基礎と応用研究の二つを連携する上で必須であり、この活動を更に推進する上で、EUとの共同研究に加えて、アジア太平洋地域を中心とするAPEC気候センターとの連携が重要になります。アジェンダとしては、1)予測可能性研究において要となる現象の議論と、2)現実的な予測実験手法の二つを設定し、それに沿って以下の様な議論と意見交換がなされました。


1) 短期気候変動予測の基礎となる重要な現象に関する発表や意見の交換が行われました。IODの他、熱帯太平洋の南北モードやエルニーニョもどき等、十年規模の変動に関連すると考えられる新しい現象についての議論がなされました。インド洋表層下の観測の重要性も力説されました。また、ENSOとIODとの相互作用の問題や、熱帯の変動が中緯度地域へ影響を与えるPJパターン等のテレコネクションに関する先端的知見の交換もなされました。


2) 予測実験に関しては、各国研究機関における季節予報システムと、それらを用いたMME(マルチモデルアンサンブル)予測の有効性に関する議論が行われました。年平均場、季節サイクル場の再現性を向上させることの必要性が指摘され、また、より高解像度のモデルを用いることの必要性も認識されました。こうして、今後のアンサンブル予測に関する研究の方向性を確認することが出来ました。特にインド洋の研究は太平洋に比べて遅れていましたが、全球的な短期気候変動の予測の為には不可欠であることが今回の議論からも再認識されました。観測網の充実も予測精度向上の為には重要であるという認識も共有されました。