地球変動研究に関する国民の関心度(ニーズ)調査結果
地球変動に関する研究を実施していく上で国民の各界各層がどのような研究テーマに関心を持ち、どのような研究成果を本当に求めているかを認識することが重要である。そのような国民のニーズを的確にとらえ、研究成果をわかりやすく広報していくことも念頭に置きつつ今後の研究活動に反映させるために以下のような調査を実施した。
調査は住民編(住民調査、教師調査、生徒調査、マスコミ、報道機関調査)と産業編(第一次産業、第二次産業、第三次産業)に分けて実施した。
調査の全体として特徴的であったことは「馴染みが薄く、身近な問題として実感しにくい」「難解で、理解しにくい」ことからの連想で、「さほど関心は高くないだろう」と考えていた社会各階各層の地球変動予測研究に対する関心度が想像していた以上に高く、関心分野の裾野にも大きな広がりを見せていることだった。これは全国的な傾向でもあった。
◎住民(成人男女)調査による関心度
- 友人や知人との間で「地球、あるいは地球環境」を話題にする人は、62%もあり、そのうち、よく取り上げる人は約20%、5人に1人に達する。
- 「異常気象」への関心度が突出しているが、調査期間直前に異常気象現象がマスコミで頻繁に取り上げられたためと思われる。
- 「異常気象」や「地球温暖化」「オゾン層破壊」などは「ダイオキシン」「ゴミ問題」と同等もしくはそれ以上の割合で関心度を示している。次いで、「エルニーニョ」「森林の減少」「台風、集中豪雨、洪水」「酸性雨・霧」「フロン放出」「生態系の破壊」「海面水位の上昇」「有害紫外線」「地震・津波」「冷夏・暖冬」「干ばつ、砂漠化」などへの関心度が高い。
◎教師調査による関心度
- 「酸性雨・霧」「地球温暖化」「オゾン層破壊」についての関心度は「地震」を上回り、80%以上、10人中8.5人が関心を示した。
- これに「生態系の破壊」「エルニーニョ」「森林の減少」「有害紫外線」「干ばつ・砂漠化」「火山活動」「温室効果ガス」が続くが、いずれも50%以上の高い関心度を示している。
- 次いで「海面水位の上昇」「フロン放出」「台風・集中豪雨・洪水」などが関心度40%以上で続いている。
◎生徒調査による関心度 「もっと詳しく知りたい地球情報」
- 他の調査ほど関心度は高くないが、関心の裾野に比較的広がりが伺える。
- 関心度トップは「ダイオキシン」だったが、「地球温暖化」「オゾン層破壊」「森林の減少」が30%以上で続き、「ゴミ問題」より高い。
- 次いで「エルニーニョ」「異常気象」「地震・津波」「酸性雨・霧」「台風・集中<豪雨・洪水」「有害紫外線」が20%以上。>
◎マスコミ・報道機関調査による関心度
- 「地球温暖化」「生態系の破壊」を中心に、マスコミの関心は比較的多用な分野に及んでいる。
- 次いで「森林の減少」「酸性雨・霧」が「地震」への関心度を上回り、「干ばつ・砂漠化」「エルニーニョ」「海面水位の上昇」「温室効果ガス」「フロン放出」が続いている。
◎産業界調査による関心度
- 全般的には「地球温暖化」への関心が高く、以下、「冷夏」「台風・集中豪雨・洪水」「エルニーニョ」「暖冬」「森林の減少」と続くが、業種別には、それぞれの業種特性に対応した関心度を示している。
- 農業
「台風・集中豪雨・洪水」79.3%の関心度が突出し、「冷夏」69.0%、「エルニーニョ」60.3%、「地球温暖化」53.4%などの関心度が高い。
- 林業
「森林の減少」69.6%「台風・集中豪雨・洪水」63.8%「酸性雨・霧」63.0%「地球温暖化」44.2%と、樹木の育成に関連する現象に関心が高い。
- 漁業
農業、林業では全く関心のなかった「潮流の変化」への関心度が、漁獲と密接に関係しているだけに81.3%とダントツ。以下、「エルニーニョ」79.7%「台風・集中豪雨・洪水」62.5%「地球温暖化」43.5%
- 食品・飲料業
「冷夏」への関心度か最も高く66.7%。以下、「エルニーニョ」63.3%「暖冬」53.3%
「地球温暖化」33.3%の順。
同業界は繊維・衣料品業界(調査対象外)と同様に、「四季のはっきりした気候条件の方が販売に適している」ことを如実に反映した結果が出ている。
- 紙・パルプ業
「森林の減少」78.9%に対する関心が最も高く、以下、「冷夏」47.4%「地球温暖化」42.1%「酸性雨・霧」31.6%「暖冬」31.6%「異常渇水」31.6%「台風・集中豪雨・洪水」31.6%などが次いでいる。
- 自動車・電機業
「地球温暖化」への関心が最も高く77.8%、次いで「オゾン層の破壊」66.7%「温
室効果ガス」61.1%「フロン放出」62.1%の順。
- エネルギー供給業
「地球温暖化」への関心が最も高く75.8%、以下、「暖冬」60.6%「温室効果ガス」45.5%「地震」45.5%「エルニーニョ」42.4%「冷夏」39.4%の順になっている。
- 流通・サービス業
「冷夏」68.2%が最も高く、「暖冬」59.1%「地球温暖化」50.0%「台風・集中豪雨・洪水」40.9%「エルニーニョ」39.4%に高い関心を示している。
集計方法については、基本的に、クロス集計によって行ったが、全体結果を見るに際しては、各対象別の標本構成に偏りが見られたので、加重平均値を求め、結果を見ることとした。これによって、各対象別に同じ重みを持った集計結果が期待できる。
従って、各対象別の結果は、各対象別の計(n:分析標本数)をとして表記しているが、全体結果については、合計(n:実数値)の個所に加重平均値と表記している。
なお、調査については(社)資源協会地球科学技術推進機構と(株)情報科学研究センターの協力で実施された。
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