東北マリンサイエンス拠点形成事業「海洋生態系の調査研究」- TEAMS

調査場所とキーワードで、どんな研究をしているかを 検索することができます。

大槌沖合
女川沖合
三陸沖北部
三陸沖南部
環境要因に応じて変化する植物プランクトンの種組成
2013年10月30日~2013年11月7日 大槌沖合, 女川沖合, 三陸沖北部, 三陸沖南部 海洋研究開発機構 ---

植物プランクトンの種組成と環境要因(水温・塩分・栄養塩)

大槌沖合
女川沖合
三陸沖北部
三陸沖南部
三陸沖における植物プランクトンの種構成と環境要因との対応解析
2013年10月30日~2013年11月7日 大槌沖合, 女川沖合, 三陸沖北部, 三陸沖南部 海洋研究開発機構 ---

環境要因から出現する植物プランクトンの種構成を推定できる可能性を検討し、三陸沖の漁業生産に資することを目的として、植物プランクトン調査と海上観測を行いました。
三陸沖表層4測線上の21地点において表層バケツ採水を行い、500mlの海水をホルマリンで固定しました。段階的に5mlまで濃縮した後、光学顕微鏡により検鏡し、 植物プランクトン の個体数を計測しました。環境要因として同じ地点の水温・塩分・栄養塩濃度(硝酸・亜硝酸・アンモニア・リン酸・ケイ酸)を測定しました。

大槌沖合
女川沖合
巨大地震と津波が小型の底生生物の分布を変化させた
2012年3月23日~2012年3月30日 大槌沖合, 女川沖合 海洋研究開発機構 ---

大槌沖、女川沖、仙台湾沖の計8地点(水深300-900m)で堆積物を採取し、2011年3月の地震や津波で乱された堆積物がどれくらいの厚さに積もっているのか、堆 積物中の環境はどのように変化しているのか、そして微生物や多細胞生物の分布はどうなっているのかを調査しました。

大槌沖合
女川沖合
MR12-E02公開による三陸沖の海洋生物資源(漁場)環境の長期モニタリング-溶存化学成分-
2012年3月15日〜2012年3月30日 大槌沖合, 女川沖合 海洋研究開発機構 ---

巨大地震による沿岸域からの土砂等の流入により、三陸沖海底では地形や海底表層の状況が変動し、沖合の生物資源への生息環境への影響が考えられます。そこで、 海洋生物資源(漁場)環 境の長期モニタリングするため、沖合水産業のための海洋環境データを観測し、それらについて分析・考察を行いました。

大槌沖合
女川沖合
三陸沖における生物資源(漁場)環境のモニタリングの結果報告 ―2012年~2013年―
2013年10月28日~2013年11月10日 大槌沖合, 女川沖合 海洋研究開発機構 ---

巨大地震による沿岸域からの土砂等の流入により、三陸沖海底では地形や海底表層の状況が変動し、沖合の生物資源への生息環境への影響が考えられます。そこで、海洋生物資源(漁場)環 境の長期モニタリングとして、地震が海底地形や生物生息環境に与えた影響を明らかにするため、CTDと高速フラッシュ励起蛍光光度計(FRRF)を用いて表層〜海底(水深2000m)ま での海洋環境観測と採水サンプルの分析を行いました。

大槌沖合
女川沖合
三陸沖南部
キタクシノハクモヒトデの遺伝的集団構造に東日本大震災が与えた影響の評価
2013年 大槌沖合, 女川沖合, 三陸沖南部 海洋研究開発機構

東北沖合の深海底に優占するキタクシノハクモヒトデの遺伝的集団構造に東日本大震災が影響を与えたのかどうか評価するため、震災前後の集団を対象に遺伝子情報を比較しました。

- 震災前の個体は2006~2008年に採集した39個体を使用(但し、利用できる個体数が少ないため、東北以外の個体を含む)。

- 震災後の個体は2013年に無人探査機の搭載されるスラープガンを使用して採集した75個体を使用。

大槌沖合
女川沖合
東北太平洋沖と北海道網走沖キチジの年齢と集団遺伝学的解析
2012年7月21日~2013年2月22日 大槌沖合, 女川沖合 海洋研究開発機構

キチジの資源管理・保全のための知見に寄与することを目的として、東北太平洋沖となる福島県小名浜沖(1点:4個体)と宮城県塩竈沖(1点:5個体)から2012年7月21日に採集した計9個体、岩 手県釜石沖2点から2013年2月19日と22日に採集した27個体、また北海道網走沖1点から2012年10月13日に採集した30個体、計66個体の遺伝的集団構造解析を行いました。
また、 釜石沖と網走沖のキチジを用いて年齢の解析を行いました。

大槌沖合 東北沖上部斬深海帯の堆積物と海底生物相:2012年および2013年の時系列変化追跡
2012年3月、2013年11月 大槌沖合 海洋研究開発機構

2011年3月11日の地震と津波の影響が、海底の環境や生物にどんな影響を及ぼし、今後どのように回復していくのかを明らかにするため、「みらい」と「望星丸」という船を使って堆積物( 海底に泥や砂のたまったもの )を採取し、調査を行いました。

大槌湾
鮫浦湾
海藻群落・海草群落と底生動物群集の関係に関する研究
--- 大槌湾, 鮫浦湾 東京大学大気海洋研究所 藻場, 底生動物, 種多様性, モニタリング, 生態系

三陸地方の沿岸では、岩礁域にはコンブやアラメ、エゾノネジモクなどの大型褐藻類やマクサなどの小型紅藻類など様々な海藻類が、砂浜域にはアマ モなどの海草類が大規模な群落(藻場)を形成しています。 これらの藻場は様々な底生動物にとって重要な生息場となっており、 植物そのものの消長が群落内の底生動物の個体数や種組成に影響を及ぼします。 津波によって 大きな撹乱を受けた沿岸域において、生態系の回復過程や底生動物の種多様性の変化を考える上では、 それら の植物群落と底生動物の動態の関係性を明らかにすることが重要です。

本研究では、大槌湾と牡鹿半島泊浜において大型褐 藻類やアマモ類などの植物群落を対象に、その季節的な消長と群落内の動物群集の変動をモニタリングしています。加えて、 震災前後での 底生動物群集の種組成の変化を調査し、エゾアワビやウニ類といった水産重要種を含めた底生生物の種間関係を明らかにすることで、 藻場の生態系の維持要因・変動要因を解明することを目指しています。

大槌湾
鮫浦湾
三陸沿岸におけるキタムラサキ・エゾバフンウニの生態学的研究
--- 大槌湾, 鮫浦湾 東京大学大気海洋研究所 ウニ類, モニタリング, 生態, 岩礁生態系

キタムラサキウニおよびエゾバフンウニは三陸沿岸域における重要な漁獲対象種であると共に、その活発な摂餌によって岩礁域の海藻植生に大きな影 響を与える底生動物と考えられています。 津波によって 大きな撹乱を受けた沿岸岩礁域の生態系の回復過程を考える上で、これらのウニ類の個体数の増減や天然 環境下での生態を明らかにすることは非常に重要です。


本研究では、大槌湾と牡鹿半島泊浜において、キタムラサキウニの生息密度の長期的な モニタリング調査 を実施し、震災に伴う撹乱の影響やその後の個体数の増減を調べています。また、 共に 岩礁域に生息しているキタムラサキウニとエゾバフンウニ について、両種の食性や生息場の差異を調査し、岩礁生態系における両種の役割を比較しています。

大槌湾
鮫浦湾
三陸沿岸におけるエゾアワビ個体群の回復過程に関するモニタリング調査
--- 大槌湾, 鮫浦湾 東京大学大気海洋研究所 エゾアワビ, モニタリング, 生態, 岩礁生態系

東日本大震災によって発生した津波により三陸地方の沿岸岩礁域は大きな撹乱を受けました。沿岸岩礁域に生息し、三陸地方沿岸域において重要な漁獲対象種となっているエゾアワビも震災の直接的・ 間接的な 影響を受けていると考えられます。今後もエゾアワビを持続的に漁獲していくためには、震災後の資源状況や資源の変動要因を明らかにする必要があります。

本研究では、大槌湾と牡鹿半島泊浜において、エゾアワビの生息密度の長期的なモニタリング調査を実施し、震災に伴う撹乱の影響やその後の回復過程を明らかにしています。また、エ ゾアワビ個体群の増減に強く影響する稚貝の成長・生残に関する研究も行っています。

これまでの研究で、特に小さな稚貝で津波の影響が大きかったこと、泊浜と大槌湾では津波による生息密度への影響が異なったことなどが明らかになっています。

大槌湾 大槌湾における溶存態・懸濁態物質ならびに微生物群集のモニタリング調査
--- 大槌湾 東京大学大気海洋研究所・海洋研究開発機構・静岡大学・石巻専修大学 栄養塩類、クロロフィルa、懸濁態有機物(POM)、溶存態有機物(DOM)、細菌、ウィルス

大槌湾の物質循環過程に対する東日本大震災の影響を明らかにするために、大槌湾内の設定した三つの観測点(湾口部、七戻崎沖、鵜住居川河口部)にて2011年5月以降、二か月に一度の頻度で湾内の溶存態・ 懸濁態 物質の分布状況を調べています。

松島湾 松島湾の牡蠣養殖棚における付着生物の季節消長
--- 松島湾 東京大学大気海洋研究所 付着生物、季節消長、コケムシ、ヒドロ虫、牡蠣、養殖、防除

宮城県松島湾ではカキ養殖が重要な水産業の一つとなっています。 しかし、棚から水中に吊されたこれらのカキには、多数の生物が付着します。 また、 天然の付着生物はカキと餌料をめぐる競合相手にもなっています。

本研究では、松島湾の数地点に付着板と温度ロガーを設置し、これらのカキ養殖施設における濾過食性付着生物の種組成と分布、生態を調査しています。

これらを明らかにすることにより、湾内で養殖されているカキの餌料環境評価と付着生物による付着被害の実 態解明を目的としています。 これまでの調査で、 ① 春から夏にかけてヒドロ虫が優占すること ② 秋にはフサコケムシが優占することが判明しています。

大槌湾 コケムシを用いた震災履歴の探索と付着生物群集の生態学
--- 大槌湾 東京大学大気海洋研究所 固着生物、生物群集、コケムシ、成長、多様性、震災履歴

大槌湾口部の水深90 m地点には、サンゴのような形をした大型の起立性コケムシが集まった群集の存在が震災前後にわたって確認されています。 このような固着生物群集は、 多くの小型生物によって生息場として利用されていると考えられます。

本研究では、浅海域から深海域への移行帯の固着生物群集にみられる震災の影響を明らかにすることを目的として、震災後に採集されたコケムシ群体の炭素・酸素同位体比分析を行っています。 これまでの分析の結果、コケムシの枝の断面にみられる筋状の模様が酸素同位体比の周期的変動と一致していることが明らかとなり、この筋を基準として 枝の年齢を推定できる可能性が示唆されています。

今後はさらに 詳細な分析を行うことで、震災前後のコケムシ群体の成長率を比較していきたいと考えています。 また、ROVを用いてコケムシ群集に棲息する底生生物を採集することにより、 これらの固着生物群集が生物の多様性に果たす生態学的役割についても明らかにしていく予定です。

大槌湾 大槌湾の底生生物の多様性
--- 大槌湾 東京大学大気海洋研究所 底生生物、分類、多様性、標本

本研究では、岩手県大槌湾をフィールドとして、湾全域における底生生物相について潜水調査やドレッジ調査、さらに 無人探査機(ROV)を用いた調査を実施し、生物相のマッピングを進めています。

これまでに、大槌からの未報告種や数十年ぶりに発見されたコケムシなど、多数の生物を採集しています。 これにより、復興が進み始めたばかりの大槌湾の底生生物相の現状を知ることができます。 そして、今 後も 継続的に本調査を進めることで、復興が進むことにより大槌湾の底生生物相がどのように変化していくのかを知ることもできます。

この調査で得られた底生生物はすべて生きた姿の写真を撮影して色などの情報を残すとともに、 標本として将来の研究に利用可能なかたちで保管しています。

これにより、 将来、大槌湾の環境が様々に変化した後でも、 大槌湾にどのような生物が棲息していたのかを標本たちから知ることができます。 また、本調査の結果をもとに、フ ィールドでも簡単に利用できる大槌湾の生き物図鑑を作成したいと考えています。

大槌湾 大槌湾における付着生物の分布と季節変動の解明
--- 大槌湾 東京大学大気海洋研究所 付着生物、季節消長、コケムシ、ホヤ、フジツボ

三陸沿岸の内湾では、マガキやホタテなど海水中の動植物プランクトンを餌とする濾過食者が重要な水産資源となっています。 津波によってこれらの養殖施設は壊滅的な被害を受けましたが、一 部の施設は復旧して養殖が再開され始めています。 一方、三陸沿岸の内湾には養殖対象種以外にもフジツボ類やコケムシ類など 多くの濾過食者が存在し、その動態は養殖生産の効率に影響を及ぼすと考えられます。 しかし、それら天然の濾過食者に関する知見は震災以前においてもほとんどありません。

そこで本研究では、岩手県大槌湾の数地点に付着板と温度ロガーを設置し、大槌湾内における濾過食性付着生物の分布や種組成、 生態を明らかにしようとしています。 これら付着生物相の震災後の変化を追跡することで、 内湾養殖対象種であるカキやホタテの餌料環境の実態を解明することを 目的としています。

これまでの調査で、① 夏季には湾全域においてフジツボの付着が多いこと ②冬季には湾南側の浅場でコケムシなどの付着生物が多くみられること ③水深 15m以深で付着生物の種組成や付着量に変化がみられることが判明しています。

大槌湾 大槌湾におけるプランクトンのモニタリング調査
--- 大槌湾 東京大学大気海洋研究所 動物プランクトン、植物プランクトン
津波のプランクトンに対する影響を明らかにするために、大槌湾内3カ所(湾口、湾央、湾奥)において2011年5月から2ヶ月に1回の頻度で動物プランクトンと植物プランクトンを採集し、個体(細胞)数 と種組成を調べています。
大槌湾 係留系を用いた大槌湾海洋環境のモニタリング
--- 大槌湾 東京大学大気海洋研究所 水温、塩分、クロロフィル、流向、流速、溶存酸素、栄養塩
津波後の大槌湾の海洋環境をモニタリングするために、湾内2カ所(蓬莱島沖と箱崎アマモ場)に水温・塩分計、クロロフィル・濁度計、流向・流速計、溶存酸素系、現場型リン酸塩計を取り付けた係留系を設置し、連続観測を行っています。
大槌沖合
三陸沖南部
環境被害とベントスの潜在分布と比較:沿岸域の分布推定モデル結果の活用
2012年03月16日~2013年07月03日 大槌沖合,三陸沖南部 海洋研究開発機構

震災後のガレキの空間分布を把握するため、水深160mから700mを対象に調査するため、震災後の瓦礫の分布を深海域と沿岸域で異なる手法で行われた調査を集計し、比較しました。

調査は、
2012/3/16から3/20および2012/7/31から8/7に4KCとYDDTによる曳航式カメラ調査、
2013/6/30から7/3に小型ロボットによるカメラ調査、
2013/3/12から3/17および 2012/7/23から9/16にそれぞれ深海、沿岸でサイドスキャンソナー調査を実施しました。
大槌沖合 岩手県大槌沖海底300m、1000mにおける長期時系列環境モニタリングの結果
2013年3月12日~2013年10月14日 大槌沖合 海洋研究開発機構

岩手県大槌沖において海底及び海底付近の物理・科学環境および生物群集の長期モニタリングを行うため「ランダー」と呼ばれる海底設置型のプラットフォームを開発し、

ADCP、水温計、電気伝導度、濁度計、溶存酸素計、ビデオカメラシステムを搭載した。

この機器を、岩手県大槌沖の水深300mと998mの場所に設置し、観測を行った。
三陸沖北部
三陸沖南部
バイオトラッキングシステムの開発とズワイガ二を対象とした試験的運用
2013年10月6日~2013年10月19日 三陸沖北部,三陸沖南部 海洋研究開発機構
三陸沖合域におけるガレキなどをめぐる生物資源の経時的な行動や分布を把握するため、
生き物自体に音響マーカーをつけて、その生き物がどう動くかを調べる(バイオトラッキング)システムの開発を行っています。
今回は、釜石沖(水深:430m)にて採集したズワイガニ10個体を対象に試験的に小型音響ピンガ(発信器)を装着して再放流し、
展開した3基のバイオトラッキング基準局で信号を受波し、その行動を追跡しました。
大槌湾 河口・汽水域及び沿岸域における微生物群集を指標とした河川水の混合拡散のモニタリング
--- 大槌湾 東京海洋大学 微生物、海水、河川水、群集組成解析、分子生物学的手法
岩手県大槌湾では、震災後の津波により湾奥部の砂州が壊滅的な状態になったことなど、生態系の変化が報告されています。また、生態系の中で微生物群集は重要な役割を担っています。
一方、湾奥部の生態系は河川水による影響を受けています。
そこで、河川水と湾内水との混合状態(河川水の希釈率)について、微生物群集組成との関わりを調べ、微生物を指標にして推定するため、鵜住居川河口域にてCTDによる観測と採水を行い、微 生物群集組成を解析しています。
大槌湾 河口・汽水域及び沿岸域における河川水の混合拡散のモニタリングとそのモデル化2
--- 大槌湾 東京海洋大学 水深分布、底質分布
砂浜や河口部、周辺の浅海域では、波や流れの作用を受けて、その形状や底質が変化します。
地形や底質は、その場所を利用する人々や生息生物にとって生活や住環境の基盤であり、特性やその変化を知ることはとても重要です。
本調査では、超音波型の水深測量機器を用いて鵜住居川河口および砂浜前面の15m以浅の浅海域の水深分布を計測し、河川や津波によって一部を掘られた複雑な砂浜形状を把握できました。
また、底質の採取により、砂浜と河口部で採取した底質は、シルトや砂などの粒径の異なる底質が分布していることが分かりました。
大槌湾 河口・汽水域及び沿岸域における河川水の混合拡散のモニタリングとそのモデル化1
--- 大槌湾 東京海洋大学 河川水、混合、YODA、SUNTANS、潮汐、内部潮汐、風
河川水はその流量、温度、河口域や海底の構造などを反映しながら次第に海水と混合して外洋へと流出して行きます。
その混合拡散を正確に見積もることは湾内での化学物質の動態やその生物生産への寄与を見積もる上で重要です。
本研究のために開発された新型の観測装置 YODA Profiler (Masunaga and Yamazaki, 2014) や数値モデル SUNTANS (Fringer et al., 2006) を用いて、
大槌湾内における河川水の混合拡散のプロセスの解明を行っています。
研究の結果、潮汐、内部潮汐と風の3つの要素が湾内の河川水の混合に強く寄与していることがわかりました。
山田湾 岩手県織笠川河口における底生生物の調査
--- 山田湾 岩手大学 沿岸浅海域、干潟、底生生物、サキグロタマツメタ
山田湾にある織笠川河口の干潟は、岩手県有数の潮干狩り場でした。
しかし、アサリの移植放流とともに持ち込まれた貝食性の巻貝・サキグロタマツメタによる食害の影響で、潮干狩りが中止に追い込まれていました。
その後、東日本大震災の津波と地盤沈下の影響で、干潟の面積が縮小し、そこに生息していたアサリを含む底生生物も大きな影響を受けました。
震災後、織笠川河口の底生生物は種類数・個体数ともに回復傾向が見られ、特にアサリは優占種になりましたが、サキグロタマツメタも発見されたことから、
アサリを含む底生生物に影響を及ぼすことが予想されました。
岩手大学では東北マリンサイエンス拠点形成事業の一環として、織笠川河口における底生生物の震災からの回復状況を詳細に調査するとともに、
サキグロタマツメタの生息状況を調べ、他の生物への影響を明らかにしていきます。
大槌湾
釜石湾
広田湾
大槌沖合
物理過程と生態系の統合モデル構築
--- 大槌湾,釜石湾,広田湾,大槌沖合 東京大学大気海洋研究所 海洋循環、海洋物質循環、モデリングと観測の連携
沿岸物理過程と沿岸生態系のモデリングを行い、三陸沿岸生態系の統合モデルを構築します。
リアス式湾内の小規模現象と、湾外の大規模現象のスケール間相互作用を連結します。
力学過程のメカニズムやサブグリッドスケール(モデル格子間隔以下)現象のパラメタリゼーションについて検証し、モデルの高精度化を図ります。
数値モデリングと観測を緊密に連携させた研究の手法を開発します。
大槌湾 二枚貝の殻の重金属分析から津波による海洋汚染履歴をさぐる
--- 大槌湾 東京大学大気海洋研究所 ムラサキイガイ、重金属、汚染物質、元素分析、成長線解析
津波に伴う湾内の堆積物の巻き上がりや陸源物質の湾内への流入に由来する汚染物質の沿岸海洋環境中への負荷が懸念されます。
しかし災害発生直後に観測を行い、汚染物質の挙動を調べることは困難です。
本研究では、ムラサキイガイの貝殻に記録されているマンガンやバリウムなどの重金属濃度の変動を調べることで、大槌湾の汚染状況の復元を試みています。
宮古湾
船越湾
大槌湾
万石浦
松島湾
松川浦
東北地方太平洋沖地震および津波にともなうアマモ場の魚類群集の時空間変動
--- 宮古湾,船越湾,大槌湾,万石浦,松島湾,松川浦 広島大学 アマモ場、魚類群集
2009年以降継続している魚類群集調査により、東北太平洋沿岸域のアマモ場における単位面積あたりの魚類の種多様性と現存量は、
全国26ヶ所のアマモ場のなかでトップレベルであることが明らかとなりました。
2011年3月に発生した津波により、
浅海域に形成されるアマモ場やそこに生息する魚類群集は強い撹乱を受けました。
本研究では、東北太平洋沿岸の複数のサイトにおいて、津波による撹乱の程度の違いが
アマモ場の植生、魚類群集、食物網に及ぼした影響と、津波以後の遷移過程の空間比較を実施します。

大槌湾
釜石湾
サケの研究を通じた三陸沿岸における持続可能な社会の構築
--- 大槌湾,釜石湾 北海道大学国際本部 サケ、個体群動態、安定同位体比、さーもん・かふぇ
【目的】三陸沿岸における持続可能な社会の構築、サケと沿岸生態系の回復をはかります。
【方法】三陸サケの生残率を高めるために、沿岸生態系の構造とサケの栄養動態を安定同位体比分析から明らかにします。
また回帰した親魚の鱗分析から生活史トレースを解析します。
持続可能な漁村づくりに向けて、住民−利益共有者−行政−科学者からなる「さーもん・かふぇ」を開催します。

山田湾
船越湾
大槌湾
広田湾
気仙沼湾
志津川湾
万石浦
松島湾
東北地方太平洋沖地震および津波に伴うアマモ場の遺伝的多様性・種多様性の変動
--- 山田湾,船越湾,大槌湾,広田湾,気仙沼湾,志津川湾,万石浦,松島湾 北海道大学・国立科学博物館 アマモ場

津波に伴い三陸地方のアマモ場の多くは消失しましたが、海草が残存した場所や、震災後回復が認められるところもあります。

本課題では、震災前に生物調査が行われた海域のアマモ場の同一地点において、
同じ方法で海草および動物群集の種多様性、
およびアマモ類を遺伝的多様性の調査を行うことにより、
アマモ場の種多様性・遺伝的多様性の津波に伴う変化、および回復過程を明らかにすることを目指しています。
また、遺伝的データを用いて、今後のアマモ場の回復過程を明らかにすることを試みています。
久慈湾
宮古湾
山田湾
釜石湾
大船渡湾
広田湾
志津川湾
女川湾
松島湾
三陸沿岸域における秋サケ加工業の変化〜分業化によるフィレー加工への集中化〜
--- 久慈湾,宮古湾,山田湾,釜石湾,大船渡湾,広田湾,志津川湾,女川湾,松島湾 北海道区水産研究所さけます資源部 三陸沿岸域、秋サケ、加工業、分業化、フィレー加工
東日本大震災によって三陸沿岸域の秋サケ産業は甚大な被害を受けましたが、秋になれば必ず浜にサケが戻ってくることが復興のモチベーションの一つになりました。
震災後から三陸沿岸域の秋サケ加工現場で流通状況の聞き取りを続けてきた結果、
秋サケ加工業に原料加工と製品加工の分業化が進んでいることが明らかになりました。
原料加工の加工場では水揚げされた秋サケを原料にしてフィレーを生産します。
製品加工の加工場ではフィレーを原料にしてニーズに合わせて最終製品を生産します。
これはサケマス類に対する消費者ニーズの変化が加工形態に影響を与え、リスクを回避するために分業化が進んできた結果と考えられます。
秋サケ加工業の分業化は限られた秋サケ資源を有効活用するための知恵であり、三陸復興の鍵を握っていると思います。
気仙沼舞根湾 潜水目視調査による津波後の魚類群集の遷移過程の解明
--- 気仙沼舞根湾 京都大学舞鶴水産実験所 潜水目視調査・魚類群集・遷移・生物多様性・温暖化

津波の直後、東北沿岸の浅海は土砂で覆われ、一時的に魚類のほとんどいない環境が出現しました。

その後どのように魚類の数や種類が増えてくるのかを、2011年5月から2ヶ月に1回の潜水調査により観察し、

海洋生態系の遷移過程に関する貴重な事例として記録しています。

2011年には魚種が少なくハゼ類のみが爆発的に増えていたのが、2012年には魚種が増え、種数はその後変化していません。

しかし、2013年以降も、シロメバルやアイナメなど長寿の魚において大型の個体が増えるなど、質的な変化は続いています。

大槌湾
大船渡湾
東日本大震災が三陸のアユ個体群へ及ぼした影響と、その後の個体群回復過程に関する研究
--- 大槌湾,大船渡湾 東京大学農学生命科学研究科・総合地球環境学研究所 アユ,耳石,日齢解析,元素分析,集団遺伝,回遊生態,資源変動

東日本大震災時に発生した津波や地盤沈下により、アユが仔稚魚期を過ごす河口域・沿岸域の環境が大きく撹乱されました。

このような撹乱はアユ稚魚の減耗を引き起こし、その影響は世代を通じてアユの産卵期や成長、
回遊パターン、遺伝的多様性といった個体群の特徴を大きく変化させていくこと、
そしてそれがアユ資源の減少につながっていくことが予想されます。
この研究では、アユの耳石を用いて日齢解析や元素分析をおこない回遊生態を明らかにするとともに、集団遺伝学的な解析をおこなうことで、三陸のアユ個体群が津波により受けた影響と、
その後の回復過程を明らかにすることを目的としています。
大槌湾 大槌川におけるサケの自然産卵の実態
--- 大槌湾 東京大学大気海洋研究所 サケ、自然産卵、産卵床、ホッチャレ

近年、我が国へ回帰するサケ資源における天然産卵個体群の重要性が指摘されるようになりました。

そこで、大槌川におけるサケの自然産卵の実態を明らかにするため、産卵回遊期間中、遡上したサケ親魚、産卵床およびホッチャレの継続的な計数・観察を実施しています。

ホッチャレの一部については個体識別を行い、河川内での残留時間や重量変化を調べ、河川生態系における役割を明らかにしようとしています。

釜石湾
大槌湾
環境DNAを用いたサケ資源の時空間モニタリング手法の開発
--- 釜石湾,大槌湾 北海道大学大学院農学研究院 環境DNA、サケ回遊、生態、次世代シーケンサー

東大大気海洋研・大槌沿岸センター青山潤教授の協力の下、2014年12月15日、調査船グランメーユを用いた調査を行いました。

新規DNA解析技術を用いてサケの生態を明らかにするためです。

今回はセンター周辺及び大槌湾口において環境水を採水しました。
サケの自然産卵が確認された釜石市の甲子川でも河川水を採水し、甲子川サケマスふ化場において秦玉雪学振研究員(PD)の協力の下、環境水のろ過作業を行いました。

回収したサンプルは北大農学部に運ばれ、現在サケDNAの解析を行っています。

大槌湾 高次捕食者の行動生態
--- 大槌湾 東京大学大気海洋研究所 バイオロギング

三陸沿岸から沖合にかけての海域に生息するオオミズナギドリ・ウミガメ類・マンボウといった高次捕食動物の行動生態を、バイオロギング手法を用いて震災前から継続してモニタリングしてきました。

今後も研究を継続し、津波に因る擾乱に対する高次捕食動物の応答メカニズムや、
現場環境にいかに適応しているのか、それぞれの生態を解明します。

山田湾
船越湾
大槌湾
東北地方太平洋沖地震後の岩礁潮間帯生物群集の回復過程の解明
--- 山田湾,船越湾,大槌湾 北海道大学地球環境科学研究院・統計数理研究所統計思考院 岩礁潮間帯、底生動物、海藻、遷移、生物群集、群集、沈降、津波
海岸のうちで潮の干満の影響を受ける部分を潮間帯と言います。三陸に多い岩礁海岸の潮間帯には海藻や貝や甲殻類などの様々な生物が生息していますが、それらの生物が地震によってどのような影響を受け、そ の後どのように回復してゆくかを明らかにするのが目的です。
そのために、地震直前の9年間に底生生物の数と分布を継続調査していた5つの海岸において地震後も同一の調査を再開し、得られた地震前後のデータの解析を進めています。こ れまでに①地震により岩礁潮間帯の底生生物の数と分布が広範囲で大きく変化し、未だ本来の状態には回復していないこと、②その回復の様子は海岸や岩礁によって大きく異なる、ことが判明しています。
大槌湾
釜石湾
女川湾
大槌沖合
女川沖合
巨大津波による三陸沿岸生態系の擾乱とその回復過程に関する研究
--- 大槌湾,釜石湾,女川湾,大槌沖合,女川沖合 東京大学大気海洋研究所 新青丸航海,定点観測,海洋生物
2011年3月の地震と津波が東北海洋生態系に及ぼした影響とそこからの回復過程を長期的に調べることを目的に、
東北マリンサイエンス拠点形成事業の一環として、学術研究船新青丸を用いて年4回の航海を実施しています。

釜石湾、大槌湾およびその東方の定点、女川湾およびその東方の定点にて

CTDによる観測と採水、マルチプルコアラーによる採泥、ノルパックネットによる動植物プランクトンの採集などを行っています。

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