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水循環観測研究

水循環観測研究プログラム

 水循環観測研究としてはユーラシア大陸東部から西太平洋・赤道域にかけての特徴的な水循環が見られる地域での観測、および各種時間・空間スケールでの水循環に関する解析を2グループにおいて実施する。平成19年度の共通の課題としては以下のものがある。
  • 分析機器である質量分析計を維持・管理し、今まで蓄積している水試料を分析し、水循環研究に供する。
  • 2006年に開始した、1999年以降の取得データの公開を、毎年更新・改良を行う。
  • 中期計画を円滑に達成するためWCRPのMAHASRIおよびCliCなど国際研究計画の推進、活用、連携を図る。また、IPY(International Polar Year)およびAMY(Asia Monsoon Year) に対応した準備・観測を実施する。
  • 統合地球観測システム(GEOSS)およびこれに対応した我が国の「地球観測の推進戦略」(平成16年12月)に即した具体的な観測計画の立案を進める。
  • CEOP、IPY等の国際観測研究・計画とも連携する。
1.広域水循環グループ
・平成19年度観測研究計画
  • WCRP/GEWEXにおける新たなアジアモンスーンの国際研究プログラムとして、2006年度から正式に活動が始まった「モンスーンアジア水文気候計画」(MAHASRI)の企画および推進をはかるため、国際・国内ワークショップ・研究会等を実施する。また、MAHASRIの集中観測と同期し国際的にモンスーンの強化観測を2008年4月から2009年3月にかけて実施するAMY’08(Asian Monsoon Year 2008「国際アジアモンスーン観測年(仮称)」)を推進し、必要な集中観測を計画する。なお、平成18年度に採択された国家基幹技術「データ統合・解析システム」プロジェクトにおいて、同位体を含むアジアモンスーン域の観測データ等を整備し、MAHASRIのデータセンター機能の確立を行うため、観測データの提供等を行う。
  • 高層気象観測サブグループでは、平成17年度途中で採択された地球観測システム構築推進プラン(JEPP)海大陸レーダーネットワーク計画において整備している現地観測体制(ジャカルタC-Bandレーダーおよびスラウェシ島ウインドプロファイラの設置、さらに全ての定常観測化およびネットワーク化により完成予定)と連携した観測を行う。また、西スマトラ州内に展開した自記雨量計観測、インドネシア全域での地上気象データ収集等も継続する。さらに、インドシナ半島(タイ、ベトナム)にCEOP・MAHASRI等と共同した観測点を展開し、地上、高層およびリモートセンシング観測を実施する。これら活動と並行し、前年度までに行ってきた集中観測結果を総合的に解析して、引き続きスマトラ島を中心とした海陸分布における対流活動の日周期活動、内部構造および駆動メカニズムの理解を進めると共に、これらと季節内振動や季節変化との関係を明らかにする論文を刊行する。また、昨年度行った高層観測データを利用したコンポジット・熱収支解析を発展させ、赤道インドネシアからインドシナ半島、シベリアにわたる領域で一体となって変動する季節内スケールの現象について、各変動フェイズにおける熱力学的バランスを定量的に理解する。次いで、その変動の仕組みを明らかにすることを目指す。また、インドシナ半島および周辺領域において2008年度に実施を計画しているMAHASRI集中観測に同期した総合観測の準備を進める。
  • GPS観測サブグループでは、既存のインドネシア、タイ及びミャンマー各国における観測を継続し、海大陸域における水蒸気量日変化の季節内変動と対流活動の関係調査と、インドシナ領域のアジアモンスーン開始前後の水蒸気量変動の調査に重点を置く。さらに、領域気象モデルを用いた数値実験により、多雨地域の降水メカニズムを明らかにする論文を刊行する。TRMM衛星データ解析によれば、スマトラ島西方インド洋近海、カリマンタン島中央部、ニューギニア島の麓付近、ミャンマー西方ベンガル湾近海は世界でも有数の多雨地域であり、年間総雨量が6000mmを越える地点も存在する。特に、陸上の多雨は防災や水資源の観点からも要因解明は重要であり、18年度開始したカリマンタン島中央部のGPS観測点データを解析し、モデリングとも開始する。
  • 陸上(インドネシア、パラオ、ベトナム、日本など)および、海上(観測船「みらい」)で実施している降水・陸水・水蒸気サンプルの観測委託・気象データ収集および日本に持ち帰っての同位体測定を行い、それらをデータベース化する。また、インド洋から太平洋まで東西方向(モルジブ、インドネシアなどを想定)、海大陸から日本までの南北方向(フィリピン、日本などを想定)における同位体観測網の地点増設を行う。それら同位体データと大循環モデル、全球客観解析データなどを組合せて降水同位体の再現や起源解析を行い、海大陸における大規模循環と局地循環との相互作用や、台風の潜熱供給の起源の違いについての研究を行う。
  • 「データ統合・解析システム」プロジェクトに関連し,MAHASRIにおけるアジア諸国からの気象水文データの収集を基に、広域のデータ統合を進める。また、インドネシア及びベトナム等を対象領域とした、レーダー・雨量計統合降水量データの作成を実施する。長期再解析データ・現業気象予報データ・衛星や海洋陸上から得られる地球観測データを既存の水蒸気起源解析モデルに入力し、降水や水蒸気の起源情報の推定などを行い、効率的に提供・可視化するためのシステムを開発・構築する。地球規模から流域スケールでの水・物質の循環メカニズムの理解を深化させるため、その検証データとなる降水・陸水・水蒸気サンプルの観測委託・気象データ収集を行い、それらをデータベース化する。
2. 寒冷圏水循環グループ
・平成19年度観測研究計画
 当該グループでの研究課題は以下の4つであり、北ユーラシア地域を主対象地域として観測を実施し、解析研究を進める。
  • T) 気候形成に関わる陸域表面の物理・生物過程の解明
  • U) 大気水・エネルギー循環過程の特性と変動の解明
  • V) 北極海流入河川の水文学的特性と変動の解明
  • W) 雪氷変動の実態解明と気候学的解釈
長期観測ステーションの維持、実験的観測および解析、衛星データ・モデル利用研究によって行われる。
 長期観測地点の維持および実験観測項目は以下の通りである。
  • 東シベリアのティクシ・ヤクーツクおよびモンゴルにおける特別観測領域での観測および長期継続観測の維持を行う。スパスカヤパッドでのカラマツ林-アカマツ林に設置したタワー観測と広域(〜100km程度の範囲)の地表層モニタリングを行い、新規にシンチロメーターによるフラックス観測を行う。またティクシでは、タワー観測、流域観測と凍土モニタリングのために設置した掘削孔(60m)で観測を継続する。
  • モンゴルの特別観測領域については、主観測点での観測を継続するとともに平成16年10月から実施している水文年集中観測の3年目の継続を行い、降水分布・特性、森林・草地の水循環に対する特性の差異など現象解明およびモデルシミュレーションに必要なデータセットを取得する。
  • 同位体研究に関係し、広域水循環サンプリング地点の維持をシベリア全域9地点とヤクーツク付近、チベット、モンゴル3箇所について継続する。IPY期間に対応し、北極域を中心として観測点の強化を計画している。
  • CREST(植生-雪氷相互作用研究)に関係した観測研究として、母子里およびヤクーツクにおける冬季を中心とした積雪期観測を行う。
  • IPYに対応し、過去の予備調査に基づき、氷河・積雪を含むモンゴル山域での雪氷現状把握および水循環観測を行う。
 特記すべき解析研究としては、以下の研究を推進する。
  • 集中観測によって取得したモンゴル流域のデータに基づき、当該気候帯での水循環の特性に関する解析およびモデルシミュレーションを実施し、流域の水循環変動性を解明するとともに大気陸域データベースを作成する。本研究の一部は、「データ解析統合システム」プロジェクトに関係している。(課題V)
  • 長期観測ステーションでの長期データを基にデータ解析を行い、陸面での水循環の経年変動性(気候のメモリー機構)を解明し、モデルとの対応を見る。(課題T)
  • 陸面過程現象のモデル化、積雪量・蒸発量・樹冠積雪などの水循環要素のレナ川流域規模での広域解析を実施する。この一部は、CREST計画と連携して行う。(課題U、V)
  • バローにて実施している固体降水のデータ高精度化観測はまとめを行い、今後の良好な固体降水測定に向けての提言の準備を行う。(課題U)
  • 雪氷貯留量として重要である北ユーラシア氷河の分布図作成と変動解析を行う。
      本研究は「データ統合解析システム」プロジェクトと連携して行う。(課題W)
 研究企画・連携に関係した事項としては、以下を実施する予定である。
  • データ・各種情報の確保、円滑な国際連携を維持するため、Asia CliC WS および小会合を開催する。
  • 北ユーラシア水・エネルギー循環の次期研究計画構築を推進する。
     

 
Institute of Observational Research for Global Change