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目的および背景: CINDY2011とは...
CINDY2011は、インド洋における大気と海洋の季節内変動を理解するため、特にもっとも顕著な現象であるマッデン⋅ジュリアン振動(Madden-Julian Oscillation:MJO)の発生解明に焦点を当てた国際集中観測プロジェクトです。
MJOは主にインド洋で発生した東西数千kmにも及ぶ雲群が時速20km程度のゆっくりした速度で東進することで引き起こされる変動現象で、周期が30−60日(季節より短いという趣旨で“季節内”と呼ばれます)の大気変動の中で最も卓越する現象として知られています。MJOは熱帯域の気候変動を支配する現象であるばかりでなく、しばしばエルニーニョ現象発生の引き金とされる強い西風をもたらしたり、熱帯低気圧(台風)の発生にも関与するなど中・高緯度の気候にも影響を与える現象として注目されています。
しかしながら、発見から40年近く経った現在もなぜそのような雲群が発生するのか解明されていません。そこで、2006年10月から12月にかけて、JAMSTECはMISMO (Mirai Indian Ocean cruise for the Study of the MJO-convection Onset)という名前の世界で初めてMJO対流発生を直接インド洋で観測する集中観測を実施しました。海洋地球研究船「みらい」のほか、モルディブ諸島やm-TRITONブイなどの係留網を駆使して実施されたこの集中観測は、弱いながらも見事に季節内のスケールで発生する大規模雲群の発生を観測することに成功し、雲群発生前に対流圏下層に水蒸気が蓄積される様子や、その後、段階的に雲域が成長していく様子を明らかにしました。そして、発生メカニズムに関して赤道波動と呼ばれる数千kmから1万km規模の現象が関与しているのではないかと示唆する結果を得ました。しかしながら、同時に観測から現象を解明するための問題点も明らかになりました。MISMOは雲群発生を捉えるため、船と島で三角形の観測網を作り水蒸気や風、エネルギーなどを計測しましたが、その形状では前述の赤道波動のうち赤道ロスビー波と呼ばれる回転成分を持つ波動の寄与を十分正確には計測できないことがわかりました。またMISMOは約1ヶ月の集中観測でしたが、MJO現象はそれよりも長く、しかも発生条件を詳細に調べるためには十分前から観測データが必要になります。
以上のMISMOの成功と問題点を経て計画されたのがCINDY2011です。十分な観測期間と観測網の展開が不可欠であり、このためには限られた研究機関による実施では対応できません。そこでCINDY2011は、世界中の研究機関からの参加を得て実施されることになりました。インド洋沿岸国であるインド、豪州、セイシェル諸島などのほか、米国や英国、フランスなどからも参加が予定されています。特に米国は独自のDYNAMO(Dynamics of the MJO)というプロジェクトをたてて米国内研究者の参加を募り、その上でCINDY2011に参加することになりました。
CINDY2011集中観測は現在、2011年10月から2012年1月までの4ヶ月間、熱帯中部インド洋を中心海域に実施が計画されています。観測には上述の国から複数の観測船、島での観測、係留系の展開などが予定され、具体的には、1) MJOに伴う熱の鉛直プロファイル構造とその変化、2) 数100km規模の雲群と大規模赤道波動との関係、3) 大気対流活動と海洋表層の状態との関係、を明らかにすることを目的としています。
また、発生メカニズムの解明のための物理的解釈や全球の気候変動に影響を与えるMJOをシミュレーションするために数値モデルを最大限に活用することが今回の集中“観測”の特徴です。このため、CINDY2011/DYNAMOプロジェクトには観測や解析を行う研究者だけでなく多くの数値モデル研究者や現業予報モデル担当者も参加予定です。
なお、CINDY2011とDYNAMOは国際プログラムWCRP(World Climate Research Programme;世界気候研究計画)が実施しているCLIVAR(Climate Variability and Predictability;気候変動及び予測可能性研究計画)において、正式に承認されている国際プロジェクトです。
参加予定機関
| 日本: | JAMSTEC (「みらい」の2010年実施の公募を経て今後多数の機関が参加予定です。) |
| 豪州: | オーストラリア気象⋅気候研究所 |
| インド: | 国立海洋研究所 |
| セイシェル: | セイシェル気象局 |
| 英国: | イーストアングリア大学 |
| 米国: (DYNAMOプロジェクトとして) |
マイアミ大学 コロラド州立大学 米国海洋大気庁(NOAA):太平洋環境研究所、地球システム研究所、環境予測センター、流体力学研究所 米国大気研究センター(NCAR) 米国海軍研究所 米軍海軍大学院 アイオワ州立大学 オレゴン州立大学 カリフォルニア大学サンディエゴ校 テキサスA&M大学 ワシントン大学 ...他 |
観測計画⋅日程
計画の詳細は英語ページ(研究計画はAbout CINDY内のScience Plan、観測日程は Operation Plan)に掲載されます。
当該ページでは概略スケジュールを掲載予定です。
お問い合わせ
CINDY2011事務局
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