HARIMAUとは...

HARIMAUは、Hydrometeorological ARray for ISV-Monsoon AUtomonitoring。

これは、海洋開発及地球科学技術調査研究促進費・地球観測システム構築推進プラン・アジアモンスーン地域水循環・気候変動観測研究プロジェクトの テーマ2-1:インド洋又はインドネシア陸・海域における研究観測ネットワークの構築の一環である「海大陸レーダーネットワーク構築」の研究です。




研究目的

本研究の目的は、観測的空白であったインドネシア「海大陸」領域に新展開するレーダー・プロファイラー網を用い、様々な気候変動の引きがねとなる「季節内変動」を解明し、全球気候予測の高精度化に貢献することです。GEOSS関係諸会議において、近年、エルニーニョ、ダイポールモードなど「海大陸」周辺で励起された全世界的な異常気象とそれに伴う甚大な自然災害への対応が急務とされており、特に日本の当グループが先鞭をつけた観測研究の推進が強く期待されています。

研究組織

研究代表者:山中大学 (海洋研究開発機構主任研究員)

サブ課題Ⅰ:「海大陸レーダー拠点観測による対流雲の監視・生成機構解明」

代表者:京都大学准教授 橋口浩之
現地レーダー観測に熟達した研究者で組織し,熱帯での気候変動励振の最小単位である対流雲の雲物理学的・力学的素過程を解明する。

サブサブ課題Ⅰ-1:プロファイラ観測・実時間データ発信

担当者:京都大学准教授 橋口浩之(サブ課題Ⅰ代表)
島根大学助教 下舞豊志
大阪電気通信大学准教授 柴垣佳明
京都大学助教 山本真之
海大陸内各地(既存のスマトラ赤道大気レーダーを含む)において、プロファイラによる風速変動(雲の発生に関与する乱流・対流・波動など)の観測研究を行い,また全地点での観測データを現地拠点や日本国内、現業観測網(GTS)へとリアルタイムで発信するシステムを構築する。

サブサブ課題Ⅰ-2:陸上対流性降水雲レーダー観測

担当者:北海道大学助教 川島正行
北海道大学教授 藤吉康志
北海道大学研究支援推進員 大井正行
海大陸内で対流雲が最もよく現れる大島嶼(スマトラ、カリマンタン島など)において、気象レーダー(1基は現在EAR観測所近傍にある北大の可搬型レーダーを援用)を用いて雲物理観測研究を行う。具体的には、海洋上から「季節内変動」に伴ってやって来る雲群に含まれる雲の上陸後の消長,地形の影響により局地的に発生する雲の振舞など。

サブサブ課題Ⅰ-3:海上対流性降水雲レーダー観測

担当者:海洋研究開発機構グループリーダー 城岡竜一
海洋研究開発機構研究員 勝俣昌己
海大陸周辺の海域(観測船「みらい」など)・小島嶼域(パラオ島など)において、各種レーダーを用いて、雲が発生し「季節内変動」として集団化する過程についての観測研究を行う。

サブ課題Ⅱ:「海大陸観測ネットワーク運用による季節内変動の解明・予測」

代表者:海洋研究開発機構主任研究員 山中大学(研究代表者)
現地・全球気象観測を熟知した研究者で組織し、対流雲が季節内変動に組織化され、さらに全球気候変動へスケールアップする過程を解明する。

サブサブ課題Ⅱ-1:雲クラスター形成・変質過程

担当者:海洋研究開発機構サブリーダー 森 修一
海洋研究開発機構特任研究技術主任 濱田純一
海洋研究開発機構特任研究技術副主任 櫻井南海子
サブ課題Ⅰで取得される観測データと、過去の地上降雨データ、衛星観測データ、客観解析データなどを組合せて解析し、「海大陸」全域での雲の集団化や変質について解明する。

サブサブ課題Ⅱ-2:陸面・大気相互作用過程

担当者:海洋研究開発機構サブリーダー 伍 培明
サブ課題ⅠやⅡ-1で得られる雲やその集団に関する知見と比較するための水蒸気量に関する観測研究を行い、領域モデルを用いた数値シミュレーションなども併用して、陸面からの水蒸気供給および地形による局地循環が「海大陸」内での雲の消長にどう関与しているかを解明する。

サブサブ課題Ⅱ-3:大気熱収支・水蒸気輸送過程

担当者:海洋研究開発機構研究員(三重大学教授) 立花義裕
海洋研究開発機構研究員 荻野慎也
海大陸域から周辺地域への顕熱・潜熱(水蒸気)輸送、ならびに輸送過程において雲や雲集団の果たす役割について、本研究で得られるデータ・知見に、周辺諸国の気象官署データや全球モデル客観解析データなどを加えて解析することによって解明する。

サブサブ課題Ⅱ-4:季節内・気候変動励振過程

担当者:海洋研究開発機構主任研究員 山中大学(研究代表者)
海洋研究開発機構研究員(熊本大学准教授) 一柳錦平
広域に分布する水蒸気の起源を同位体分析を用いて探るとともに、本研究の最終段階において中核部分となる、海大陸季節内変動による全球気候変動の監視・予測システムを確立する。


達成目標

前半3年間:
現地観測推進本部を開設し(ジャカルタを予定)、気象レーダー・プロファイラ観測点を「海大陸」を東西に貫く赤道沿いに5点設けレーダーネットワークを完成させる。それと並行して、関連のデータ収集を行う。

後半2年間:
観測網を用いて組織的集中観測を行うとともに、データ自動送信システムを設置して、観測点間および国際的な実時間データ交換・公開を可能とする。