そもそも持続可能性とは何か。実に様々な定義があるこの言葉ではありますが、どんな定義を採用するにせよ、この問題を考えるときには、時の大きな流れの中で把握しないと結論を取り違う可能性が高くなります。 正しい結論を得るために必要な情報とは何でしょうか。 地球環境問題は、人工物質が原因になる場合があり、 そして、温暖化のように、主として地下資源を利用することによって引き起こす環境負荷に原因がある場合も あります。いずれの場合も、非常に時定数が長いため、 現象が起きてから対策を取ることでは、間に合わない 可能性が高いこと、さらに、不可逆性が高い現象であると考えられること、そして、最後に、これは環境問題全てに言えることではありますが、すべての要素が複雑に絡み合っていて、単なる、「原因と結果」という単純 な関係では描き得ない特性があります。となると、部分的な情報だけでなく、統合可能な情報を創生することが必要になります。
地球温暖化問題は、温度上昇そのものが直接的に人類の生存に関わるというよりも、その間接的影響の方が深刻でしょう。直感的な判断では、最大の問題は、食糧供給限界に何時直面するか、ということではないでしょうか。一般に穀物の生産には、光と水と土壌、それに適切な温度が必要ですが、例えば、地球温暖化に よってどのような影響が出るか、その解を正確に予測することはかなり困難です。
例えば、水資源が地球の温度上昇とともにどのような変動を示すか、といった予測が必要不可欠です。もちろん、マクロ的に言えば、温度が上昇しますから海面からの蒸発量は増えます。蒸発した水分はいずれどこかで落下しますから、降水量全体としては増えます。
しかし、海の上ですべての雨が降ってしまったら、人類の生存は全く叶わないことになります。 現時点での食糧供給問題は、絶対量が不足しているというよりも、むしろ配分の問題だと考えるべきです。しかし、現在の食糧生産が、 水という資源に全面的に依存している以上、環境の変化にともなう各地域での生産量推移の予測のようなことが必要不可欠なのではないでしょうか。 温暖化とは無関係ではあるが、米国中西部における灌漑には、化石水と呼ばれる 地下水が使われています。この地下水は通常の地下水と異なり、現時点で雨によって補給がなされているものではありません。一旦使い終わったら、それこそ枯渇します。その点では、化石燃料とほぼ同様の性格をもっています。このような水資源 を含めて、どのような持続的な使用戦略を練るか、極めて重要な段階に至っています。これは、地球全体での人間安全保障問題と密接に関係します。すなわち、紛争発生の予測などと繋がる可能性が大きいのです。 一方、このような問題に対する解決法は極めて明らかです。供給側の戦略も必要不可欠であるが、消費側がその態度を変更することがもっとも重要です。一言で言えば、まず先進国がリードしつつ、経済活動と地下資源使用量とのリンクを断ち切ることです。現在、日本では20億トンもの資源を投入して経済活動を行っていますが、これを速やかに半分程度にすべきでしょう。それでは経済が減速するから駄目だ、という声が聞こえてきます。しかし、本当にそうなのでしょうか。ほとんど同じ原材料を使いながら、価値が2倍である商品なら、 いくらでも例があります。寿命を2倍に伸ばし、価値も2倍であれば良いからです。
我々の行き着く先は、物量に依存しない社会でしょう。図1に、20世紀に行われた企業における環境対応に加え、いささか極論ではあ りますが、21世紀末までに考慮すべき究極の環境対応 を表現してみました。 現在、化石燃料が使えるという時代は、人類にとって、 極めて特異な歴史上の時間帯です。しかも、たかだか数100年間しかありません。化石燃料の存在によって、 人類は地球の能力の倍以上の活動を可能にしています。 しかし、それは一時期の現象に過ぎません。今後、人 間活動を地球の能力の枠内で行うべく、人口の制御が可能なのか、今後、2〜300年程度で人口を半減する ことが可能なのか。このあたりに、地球の将来を占う 鍵があるように思えます。あるいは、核融合を開発し、 化石燃料に変わるエネルギー源を模索しながら、地球 の限界を超えた人間活動を続けるのか。図2が、その ような概念を図示したものです。地球の限界内に活動を収めることが可能ならば、かなり穏便にことが進むでしょう。一方、エネルギー密度の高い状態を保ち続けると、万一の事態が起きる可能性があるでしょう。しかし、その選択は、 将来世代の手に委ねたいと思います。 最後に、図3として国連の人口予測を示しますが、どうやら、下位予測 に沿った形で、人口は推移するので はないか、と思われます。となると 2045年で、世界人口は77.5億人で ピークとなり、それからは減少しそうです。このようなデータから我々は何を読み取るべきなのでしょうか。
     

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