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地球温暖化情報観測研究プログラム菊地隆研究員が
海洋調査技術学会平成16年度技術賞を受賞

地球環境観測研究センター/地球温暖化情報観測研究プログラムの菊地隆研究員を主筆とする論文:「地磁気極近くでの海流観測:コンパスの問題について」が、海洋調査技術学会平成16年度技術賞を受賞しました。同賞は、海洋調査および技術の進展に功績を挙げた業績に対し、海洋調査技術学会より贈られるものです。

海洋調査技術学会 平成16年度技術賞

論文 地磁気極近くでの海流観測:コンパスの問題について
   海洋調査技術第16巻第1号


著者 菊地 隆 (海洋研究開発機構・地球環境観測研究センター)
  宇野弘勝 (株式会社マリーン・ワーク・ジャパン)
  細野益男 (海洋研究開発機構・地球環境観測研究センター)
  畠山 清 (海洋研究開発機構・海洋工学センター)
   
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南北の地磁気極付近では、水平磁力が小さいため磁石での方位測定に大きな誤差が生じる事は良く知られています。そのため一般的に広く用いられている流向流速計では、測定された流向の信頼性に大きな問題があります。
本論文は、北極海の海氷に設置された漂流ブイに取り付けられているワークホース型ADCPの流向の誤差評価を、3軸磁気コンパスやGPSブイのデータを用いて初めて行われたもので、ADCPメーカーが精度保証する水平磁力より弱い場所においても使用可能である事が明らかになりました。本論文の成果は、北極海の大部分で一般的な流向流速計が使用可能であることを、誤差評価を含め、世界で初めて示した点にあります。
このことは、南大洋での海流観測や風向風速計による風向の精度管理をはじめ、磁石を用いた各種測器に広く適用することが可能です。気候変動の予測研究にとってデータ空白域が広がっている極域での現場観測の強化が行われることにより、この結果が広く活用される事が期待できます。従って、本論文は、海洋調査技術の発展に大きく貢献するものであることが評価され、今回の受賞となりました。


なお、本論文は氷海観測用小型漂流ブイJ-CAD(JAMSTEC Compact Arctic Drifter)による観測研究の中で行われました。本観測研究に関しては、以下のホームページにおいて、現在北極海で観測中のJ-CADのリアルタイム海洋・気象観測データやこれまでに取得したデータなど、様々な情報が公開されています。
日本語版:http://www.jamstec.go.jp/arctic/j-cad/jcadindex.htm
英語版:http://www.jamstec.go.jp/arctic/J-CAD_e/jcadindex_e.htm