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海洋大循環観測研究プログラムの市川洋グループリーダーが
海洋学会日高論文賞を受賞
 地球環境観測研究センター海洋大循環観測研究プログラム市川洋グループリーダーは、日本海洋学会から2006年度日高論文賞を授与されました。この賞は同学会が2003年・2004年に公刊した定期刊行物に発表された論文の中で優れた論文に贈られるものです。受賞対象となったのは下記の論文です。

Hiroshi Ichikawa , Hirohiko Nakamura , Ayako Nishina and Masataka Higashi ( 2004 ) : Variability of northeastward current southeast of Northern Ryukyu Islands . J. Oceanography,60 , 351 -363.

 
この論文は、奄美大島南東観測線において、4年余にわたる長期係留流速観測、衛星高度計データ、ADCPおよびCTD観測を適宜組み合わせることによって、琉球列島東側に,平均流として、北東方向に流れる琉球海流が存在することを明らかにしたものです。

 この海流は、衛星高度計データと船底設置ADCPデータから、表層に北東方向の平均流(最大14cm/s)を持つこと、また長期係留流速観測データから、亜表層(600m 深)に北東方向の平均流の極大(最大23cm / s )を持つこと、すなわち、流速の亜表層極大というユニークな構造を持つことが初めて明らかになりました。
  またその流量は、日本南岸の黒潮流量のほぼ半分程度に相当するものと推定されました。このことによって、日本南岸の黒潮流量の半分はどこから来るのかという、これまで謎とされてきた問題に答え、黒潮海流系全体の流系を明らかにする上で極めて重要な貢献を行いました。以上のように、この論文は、黒潮のほぼ半分に匹敵する流量を持つ大海流である琉球海流の存在とその構造を明らかにし、黒潮海流系の理解を格段に深めた点で高く評価されました。
 今後、本研究でその存在が明らかになった琉球海流の変動機構を解明することを通して、北太平洋亜熱帯循環の西岸境界流である日本南岸の黒潮が運ぶ熱輸送量の変動機構とその気候変動システムへの影響の解明が進展することが期待されます。