技術レポート Feb.2013 vol.2

水素・酸素回収機構を備えた燃料電池システム

燃料電池は、水素と酸素を反応させて電気を生産しますが、この際水素と酸素がきれいに全部反応するわけではありません。それら未反応の水素と酸素を装置内で回収し、再発電を行うシステムを作りました。燃料電池の効率をあげられるほか、水素を装置外に放出しないため工場や病院などで使用する時の安全性も向上します。 特許第5071843 号「水素・酸素回収機構を備えた燃料電池システム」

 燃料電池は、水素と酸素の酸化還元反応の過程から電気を生産しますが、従来の開放式の燃料電池は未反応のガス(水素、酸素、不純物)を装置外に排出するため、排出ガスの可燃性等により閉鎖空間での利用には危険性があります。
 本発明は、ガスを装置外に放出しない閉鎖式の燃料電池であり、未反応の水素と酸素(さらには金属配管から漏れ出る水素:パージ水素)の回収装置と専用タンクを本発電回路中に設置し、未反応ガス用の発電回路を用いて再発電を行うものです。再発電で得た電力は、燃料電池システムの補機(ポンプ、弁など)に再利用することができます。また、その他の不純物はアノード(酸素極)とカソード(水素極)での残留濃度が大きくなると発電の効率が低下するため、吸着剤等を用いて除去しています。

水素・酸素回収機構を備えた燃料電池システム

写真●水素・酸素回収機構を備えた燃料電池システム

 これらにより、燃料電池の発電効率を低下させずに長時間運転することが可能となり、また、装置外へ不純物や未反応ガスを排出しないことから、トンネルや地下空間、工場、病院など閉鎖空間で使用する際にも安全性の高い燃料電池システムとなります。

水素・酸素回収機構を備えた燃料電池システムの構成

図●水素・酸素回収機構を備えた燃料電池システムの構成

発明者:
月岡 哲
海洋工学センター
運航管理部 探査機運用グループ
百留 忠洋
海洋工学センター
海洋技術開発部 探査機技術グループ
■発行
発行元:独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)事業推進部 推進課
発行日:2013年2月
■お問い合わせ先
事業推進部 推進課(〒237-0061 神奈川県横須賀市夏島町2-15 本館6階)
TEL:046-867-9246 FAX:046-867-9195
E-mail:chizai@jamstec.go.jp