熱放射エネルギーのシミュレーション装置、及び、方法
都市・街レベルでの熱放射・気温上昇をシミュレーションする方法で、従来は難しかった複雑な建物が並ぶ場所における熱放射エネルギーを計算することができます。 ◆特許第5137039 号「熱放射エネルギーのシミュレーション装置、及び、方法」
ヒートアイランド現象は、様々な建材の高層ビルの連立、自動車による排熱、アスファルトによる道路舗装の影響など、都市特有の複雑な環境構造によって生じます。その解明や検証には、ビル間、あるいはビル対道路間の放射・輻射過程について現実に近いシミュレーションを行う必要があります。
本発明では、都市などの複雑な建物形状が連立している場所における熱放射エネルギーを計算するための、3次元の放射・輻射過程モデルを構築しました。

図●3次元熱放射・輻射モデルによる計算結果事例大手町付近ビル群における建物壁面温度分布。オレンジ色(高い温度)、緑色(低い温度)。
従来の計算モデルでは、3次元建物の配置や算出手法の単純化と平滑化を行ったうえでのシミュレーションが行われていましたが、本発明はより現実に近いシミュレーションを行うものであり、3次元の建物形状をそのまま扱い、建物壁面間、あるいは壁面と道路間、加えて遮断された壁面間の放射・輻射過程も扱うことができる計算アルゴリズムです。
計算可能な対象は幅広く、都市空間のみならず、3次元の複雑形状物体に囲まれた閉空間、あるいは開空間における、放射・輻射過程の熱放射エネルギーの計算に適用可能です。
表●本発明における改良点
| 本発明 | 従来法 | |
|---|---|---|
| 建物形状 | 現実の都市のビル群の複雑な3次元形状を利用して、3次元グリッドを形成する。 | 非常に単純な形状のみに適用、または単一形状の建物 として考える |
| 建物の並び | モンテカルロ法により、各グリッド(各建物)間の形態係数を求める。粒子数を調整し、計算負荷を調整可能。 | 配置は均一であると考える |
| 計算モデル | 各グリッドの熱放射エネルギー(輻射による熱放射エネルギーと反射による熱放射エネルギーとの和)を使用。 | 建物の2次元形状を無視し、地表面と大気との鉛直2次元の放射過程であるキャノピーモデルを使用。 |
| 計算方法 | 各グリッドの熱放射エネルギーについての連立方程式を解くことにより求める。 | 平均放射量を統計的平均値で求める。 |
- ■発行
- 発行元:独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)事業推進部 推進課
- 発行日:2013年2月
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