JAMSTEC
伊豆半島東方沖の群発地震に伴う初島沖「深海底総合観測ステーション」の映像について
平成9年3月6日
海洋科学技術センター
海洋科学技術センター(理事長 平野 拓也)は、相模湾初島南東沖6km (北緯34度59.9分、東経139度13.6分)、水深1174mの シロウリガイ群集域に設置した「深海底総合観測ステーション」の海底カメラにより、 伊豆半島東方沖で発生している群発地震による映像が得られました。本ステーションは、海底の環境変動現象を長期にわたってリアルタイムで観測するため、 海底から湧出するメタンや硫化物を利用して生きる特異な生物であるシロウリガイの 群集域に設置されているものでビデオカメラ、地震計をはじめとする観測機器を 備えています。
得られた映像は、3月4日12時51分頃にステーションの南西約6kmの地点 で発生した地震(マグニチュード5.7)に伴うもので、地震動により巻き上げられたと 推測される泥などの堆積物が流入し、シロウリガイが埋もれる様子などが 観測されました。
今後、観測を継続するとともに、得られたデータの解析を通じて、 深海底の環境変動現象を総合的 に把握することに努めていくこととしています。
水深1174m 1997年3月4日 午後0時51分頃 地震発生前
1997年3月4日 午後1時 地震発生後に巻き上げられた泥の流入
1997年3月4日 午後3時 地震発生約2時間後の様子