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ナホトカ号の沈没部調査について(1月28日情報)

平成9年1月28日
科 学 技 術 庁
海洋科学技術センター


  • 1月25日よりナホトカ号沈没部海域にて調査を開始した 海洋科学技術センター(理事長 石塚 貢)の支援母船「なつし ま」 (1,553 トン)に搭載した深海観測装置「ディープ・トウ」が、1月27日、 船体を発見し、テレビカメラにて船体を撮影しました。(「ナホトカ号」かどうかの 確認はできていない。)

  • 昨日の調査結果を踏まえ、引続き本日、1月28日07:07から、 ソーナー曳航体を用いて、昨日発見した船体の大きさ、沈船の方向等を総合的 に把握するための調査を実施し、その結果を船上で本日午後までかけて分析した ところ、以下の事実が判明。

    • 船体の大きさは長さ100−150メートル程度、高さは20−30メートル 程度、幅は不明。(映像からは傾いているものと推定される。)
    • 船体は、長手方向を北東−南西の方向に海底に横たわっている。

    <参考>ナホトカ号に係る情報(ロイズ年鑑による)
    ナホトカ号全体:全長約177メートル、幅約22メートル、深さ約12メートル。 総トン数約13,700トン。

  • なお、本日午後、天候が悪化しため、「なつしま」は調査を中止し、現場海域を離れ 舞鶴港(京都府舞鶴市)に向けて航行中です。 今後の調査予定については、1月25日から1月28日までの4日間の調査結果を十分分析し、 天候も勘案して決定することとしています。


    「ディープ・トウ」ソーナー曳航体によって得られた沈船のソーナー画像
    黒い部分が音波の反射が強い部分(物体が存在する部分)、 白い部分が音波の当たっていない影の部分(高まりの影)。 これより、長さ100〜150m、高さ20〜30m(幅は不明)の 船体の一部が、長手方向を北東−南西の方向にして、海底にある様子が判る。

    「ナホトカ号」沈没部調査概要報告(臨時報告)
    天候
    風向
    風力 3(3.4-5.5m/秒未満)
    風浪 2(0.1-0.5m)
    うねり 1(波高2m未満)
    以上、28日12時現在

    調査海域(緯度・経度) 北緯37度14-15分、東経134度24-26分の範囲
    調査開始時刻(作業開始) 7:07(着水)、8:17(曳航開始)
    揚収完了時刻(作業終了) 13:54(作業終了)

    特 記 事 項
    ・ソーナーにより、船体の調査を実施、曳航深度は、2,423m。
    ・午後1時54分、海況悪化の為、作業中止、舞鶴に向け回航決定。


    問い合わせ先:
    海洋科学技術センター広報室(高橋、杉山)
     TEL 0468-67-5502

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