塔屋 76.66m2 機械室(2)
(2) 試料分析棟 試料・サンプル処理システムの構築
a.海水試料前処理装置システム
b.船舶観測データ処理・管理システム
c.構内LAN
建物及びデータ・サンプル処理管理システムの特徴
(1) 建物の特徴
- 安全かつ効率よく試料分析などを行えるように各部屋を配置し、実験台や薬
品棚を整備しています。
- 「みらい」で採取した大量のサンプルやデータを一時保管するため各部屋に
物品棚を設けると共に1階と2階の廊下に収納棚を設けています。
- 岩石試料や生物試料を2階の研究室や保管庫に搬入できるよう建屋の南側に
スロープや南側デッキ及び自動ドアを設け、建屋の中心部分にエレベータを設
けています。
- 寒冷地のため主体構造は鉄筋コンクリート造とし、屋上の防水は寒冷地仕様
とし、透明複層ガラス(フロートガラス 5+空気6+フロートガラス 5)を窓ガラス
に使用しています。また、外壁などには厚さ30mmの断熱材を入れています。
(2) データ・サンプル処理管理システムの特徴
- 「海水試料前処理システム」
「海水試料前処理システム」は「みらい」で採取された海水中の炭素14
(14C)を加速器質量分析計(AMS)で測定するために、海水の炭素を二酸
化炭素として取り出し、純度の高い炭素粉末(グラファイト)に精製します。
このAMS計測により大気−海洋間の二酸化炭素交換速度を見積ったり、海
水の混合・循環の様子の解明及び海底堆積物に記録された古海洋の研究を行い
ます。
このAMSは同じむつ市内にある、日本原子力研究所むつ事業所大湊施設内
に設置されています。
尚、海水試料前処理システムは我が国で始めて、準自動化することに成功し、
一日に20個の海水試料を処理することが出来ます。
- 船舶観測データ処理・管理システム
「みらい」及び「トライトンブイ」で得られた船舶気象データや海流などの
流向・流速データ、水温・塩分データ等の海洋データの処理、数理解析ならび
に保管を行うことが出来ます。
- 構内LAN
試料分析棟、観測機材整備場及び事務棟の3建屋間を光ファイバで接続し、
各研究室、整備室及び事務室のコンピュータ間をLAN(ローカル エリア
ネットワーク 企業内情報通信網)で接続し、データ通信を高速化・システム
化を図っています。
また、横須賀本部とは専用回線で結ばれ、インターネット、電子メールやフ
ァイル転送なども行えます。