世界最高速スーパーコンピュータ「地球シミュレータ」本体の搬入始まる

      平成13年9月13日
宇宙開発事業団
日本原子力研究所
海洋科学技術センター

宇宙開発事業団(理事長 山之内秀一郎)、日本原子力研究所(理事長 村上健一)及び海洋科学技術センター(理事長 平野拓也)は、平成11年度から世界最高速のスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」の製作を進めて来ました。 この度、海洋科学技術センター横浜研究所(神奈川県横浜市金沢区昭和町)内にある「シミュレータ棟」へ計算機システム本体の搬入を開始しました。

本「地球シミュレータ」は、旧科学技術庁(現 文部科学省)が平成9年度に開始した『地球シミュレータ計画』の一環として、宇宙開発事業団、日本原子力研究所及び海洋科学技術センターによって設置された共同チーム「地球シミュレータ研究開発センター」が開発を進めているスーパーコンピュータであり、コンピュータ上に地球温暖化やエルニーニョ現象等の地球規模の様々な諸現象を映し出す、いわば「仮想地球」を実現することにより、地球環境の変動現象の解明と予測を目指すもので、平成13年度中の完成を目指して開発が進められてきました。

また、「地球シミュレータ」は、5,120台のベクトルプロセッサを強力なネットワークで結合し、最大性能40テラフロップス、主記憶容量10テラバイトの性能を持つ世界最高速の極めて大規模な計算機システムであり、このために、0.15μmCMOSテクノロジーによる1チップベクトルプロセッサの実現、筐体サイズの縮小化や低消費電力化を目指した高密度実装技術等最先端のハードウェアテクノロジーを駆使して製作されています。

さらに、シミュレータ棟は、「地球シミュレータ」を設置するために、海洋科学技術センターが横浜研究所内に建設した建物(設置面積;50m×65m)であり、「地球シミュレータ」の正常な動作を確保するため、電磁波シールドや免震装置等特殊な設備を備えています。

「地球シミュレータ」の稼動後は、地球規模の気候変動の解析・予測や長期間にわたる地球変動現象の解明等が可能となり、地球観測衛星やブイ等からの観測データ等を積極的に活用しながら、地球温暖化、大気や海洋の汚染、エルニーニョ現象、集中豪雨及び台風の進路予測等の複雑な現象を理解することができ、経済社会活動の発展や地球環境問題の解決への貢献ができるものと期待されています。さらに地殻変動、地震発生等の現象の解明への貢献も期待されています。

また、平成13年9月20日(木)14:00〜15:30には、海洋科学技術センター横浜研究所内に於いて、報道関係者を対象とした『「地球シミュレータ」施設見学会』を開催し、「地球シミュレータ」施設の見学及び整備状況等ご紹介させて頂きたいと存じますので、ご出席賜りますよう併せてご案内申し上げます(「地球シミュレータ」見学会の詳細については、別添案内状をご参照下さい)。

〔問合せ先〕
〔技術的内容〕
 地球シミュレータ研究開発センター 担当:谷、横川
 TEL045ー778ー5845
 ホームページ http://www.jamstec.go.jp/esc
〔全般的内容〕
 海洋科学技術センター 横浜研究所 地球シミュレータ運用推進課
 担当:山田、菊池
 TEL045ー778ー5758
 ホームページ http://www.jamstec.go.jp

 海洋科学技術センター 総務部 普及・広報課
 TEL0468ー67ー5547
 宇宙開発事業団 広報室 TEL03ー3438ー6107〜9
 日本原子力研究所 広報部 TEL03ー3592ー2168


語句の解説 | 「地球シミュレータ」施設見学会について(ご案内)