別紙-1

深海調査研究5カ年研究指針(概要)

  平成13年に開始した深海調査研究公募化プログラムでは、開かれた公募の実施のため、「深海調査研究中期計画」を公募の指針としてきたが、平成16年度からの海洋研究開発機構の独法化、「しんかい6500」のリチウムイオン電池搭載等深海調査機器の性能向上、地震調査観測研究や統合国際深海掘削計画(IODP)の進展等の研究環境の変化に対応する必要が生じた。このため、今回、深海調査研究計画委員会において見直しを行い、「深海調査研究5カ年研究指針」として改訂を行った。本指針は、今後5年間の深海調査研究公募の指針とする予定。指針の内容は、以下のとおり。

I.地圏
  • プレート収斂域(沈み込み帯と物質循環、震源域の理解と地震テクトニクス、島弧地殻の進化とサブダクション・ファクトリー、沈み込んだスラブの滞留・崩落過程)

  • プレート生成域およびプルーム上昇域等(プレート生成過程の理解、プルーム上昇過程の理解)
  • 地球システムにおける多層圏相互作用(堆積物-水境界動態の解明、地磁気変動と気候変動・地球軌道要素変動の相関)
II.生物圏
  • 進化と生物多様性に関する研究(細胞共進化に関する研究、地球との共進化に関する研究、深海生物の分布と種分化に関する研究、環境適応に関する研究)
  • 海洋生態系における深海の役割に関する研究(海洋表層-深海の連鎖に関する研究、地殻内微生物生態系および深海-地殻内間の連鎖系に関する研究)
  • 深海生物圏の利用と保全に関する研究(水産資源生物に関する研究、深海環境の利用と環境汚染に関する研究)
III.大気・海洋圏
    アジア・モンスーンと黒潮の変動史、海底熱水域における熱・物質循環の解明、冷湧水域における物質循環の解明
IV.技術開発・技術研究系
    深海探査技術の機能向上、物理探査技術の機能向上、4次元観測技術の研究開発、新たな深海探査技術の開発と検証