平成16年7月30日
文部科学省

統合国際深海掘削計画(IODP)における
北極海掘削計画の開始について

 このたび、統合国際深海掘削計画(IODP)において、世界初の北極海掘削計画として、下記のとおり、欧州の提供する掘削船1隻、砕氷船2隻により北極海のロモノソフ海嶺において掘削を行うこととなりましたのでご案内いたします。これまでの深海掘削計画は米国の掘削船を用いて行われておりましたが、今航海は米国以外の掘削船を使用する初めての航海であり、まさにIODPを象徴するものと言えます。この計画には、欧米の参加者に加え我が国から8名の研究者が参加する予定です。
 IODPは、海洋科学掘削船を用いて深海底を掘削することにより、地球環境変動の解明、地震発生メカニズムの解明及び地殻内生命の探求等を目的として研究を行う国際研究協力プロジェクトであり、2003年10月1日より我が国と米国によって開始されました。その後、欧州12カ国で構成される欧州海洋研究掘削コンソーシアム(ECORD)、中国が参加し、国際的な推進体制が構築されています。IODPでは、現在我が国で建造している地球深部探査船「ちきゅう」のほか、米国が提供する科学掘削船、欧州が提供する特定任務掘削船(MSP)の複数の掘削船を用い、科学目標を達成するため戦略的かつ効果的に研究を行うこととしています。



1.日程(現地時間):
 
2004年8月8日 トロムソ(ノルウェー)から出港
北極海ロモノソフ海嶺(別紙参照)において掘削を実施。
9月17日 トロムソに帰港(掘削航海終了)
※気象条件や調査の進捗状況等によって変更の場合あり。
11月初旬〜 ブレーメン(ドイツ)において、取得された試料の基礎分析を開始(1〜2ヶ月間の予定)。

2.我が国から参加する研究者:
 
○掘削船およびブレーメンでの研究に参加する研究者
高橋 孝三 (九州大学大学院理学研究院教授)
小野寺 丈尚太郎 (九州大学大学院理学府博士課程2年)
須藤 斎 (筑波大学地球科学研究科博士特別研究員)
○ブレーメンでの研究に参加する研究者
坂本 竜彦 (独立行政法人海洋研究開発機構
 地球内部変動研究センターグループリーダー)
鈴木 紀毅 (東北大学大学院理学研究科助手)
山本 正伸 (北海道大学大学院地球環境科学研究科助教授)
リチャード・ジョーダン (山形大学理学部地球環境学科助教授)
渡辺 真人 (独立行政法人産業技術総合研究所
 地質情報研究部門主任研究員)
3.研究の概要:別紙参照

北極掘削航海(Arctic Coring EXpedition:ACEX)における船団について
統合国際深海掘削計画(Integrated Ocean Drilling Program:IODP)について(PDFファイル)

以上

問い合わせ先
  文部科学省研究開発局海洋地球課長 佐藤 洋
   TEL:03-5253-4111(代表)
   TEL:03-6734-4146(直通)
   FAX:03-6734-4147