平成16年12月9日
海洋研究開発機構

トライトンブイ9号機の緊急点検及び16号機の通信機器盗難について

  独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤 康宏)は、平成16年11月17日に「トライトンブイ9号機の通信途絶について」でお知らせしたトライトンブイ(海洋観測ブイ)9号機について、予定のとおり12月8日に海洋地球研究船「みらい」が現地に到着し、以下のとおり状況を確認しましたので、今後の予定とともにお知らせします。
  また、非常用送信機に送信が切り替わったトライトンブイ16号機について、バンダリズム(盗難)被害に遭っていたことを以下のとおり現地で状況を確認しましたので、今後の予定とともにお知らせします。

1. 状 況

(1)9号機
  平成16年11月8日に通信が途絶したトライトンブイ(海洋観測ブイ)9号機(平成15年7月12日、赤道上、東経147度に設置:図1)を、平成16年12月8日に海洋地球研究船「みらい」MR04-07航海において点検したところ、外観上、目立った損傷はなく、定点を保持していることを確認しました(写真1)。
  今回の「みらい」行動により、新たな非常用送信機をブイ本体に装着し、位置確認の手段を復旧しました。

(2)16号機
  トライトンブイ(海洋観測ブイ)16号機(平成15年11月15日、北緯2度、東経130度に設置:図1)は、平成16年11月19日午前9時35分、メイン送信機の通信が途絶しましたが、非常用送信機により、位置は確認しておりました。この間、同機構と協力関係にあるインドネシア技術応用評価庁に点検の依頼をしていたところ、平成16年12月7日夜バンダリズム(盗難)被害に遭っていたことの報告を受けました。
  同ブイはこれまでもバンダリズム被害に遭っているため、盗難防止用に表面ブイ上部にカバーが被せてありましたが、そのカバーが壊され、表面ブイ上部に取り付けてあった通信用の平板アンテナが盗難に遭ったことが判明しました(写真2-4)。


2.今後の予定

(1)9号機
  今回追加した送信機により位置情報を監視しながら、ブイに内蔵している記録装置により現地にて水中部の観測を継続する予定です。
  なお、当該ブイの回収・交換は元々予定していた来年1月に実施する予定です。
  さらに、当該ブイを回収後、今回の通信途絶の原因究明に努める予定です。

(2)16号機
  通信用の平板アンテナは被害にあったものの、ブイに内蔵している記録装置にまでは被害が及んでいないため、非常用送信機による位置報告を監視しながら、その記録装置により現地にて観察を継続する予定です。
  なお、当該ブイは盗難防止対策を施したものですが、今回のインドネシア技術応用評価庁からの情報を分析し、早急に更なる対策を施した上で、ブイの回収・交換は、元々予定していた2005年7月に実施する予定です。
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問合せ先
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  海洋工学センター研究支援部研究調整グループ 担当 田中、山口
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