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スマトラ島沖地震震源域近傍における緊急調査航海報告会
発表件名:「震源域近傍の深海底を調べて分かったこと」の事前報告について |
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独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤 康宏)主催、平成17年4月21日(木)13:00〜銀座ガスホール(中央区銀座)にて開催する「スマトラ島沖地震震源域近傍における緊急調査航海報告会」において、地球内部変動研究センター 東 垣 プログラムディレクターが発表件名:「震源域近傍の深海底を調べて分かったこと」について報告いたします。 つきましては、当日の報告に先立ち、現地調査データ解析結果により、世界で初めて解明した津波を引き起こした地殻構造のメカニズムを含む研究成果について、報告いたします。 【研究成果】 ●M9クラスの地震によって海底表層はどうなったか! シングルチャンネル地震波探査(注1)結果からは、本調査海域では3つのスラスト・リッジ(海嶺)(注2)がスマトラ島陸側からスンダ海溝側に存在していることが解明でき、そのうちの陸側のスラスト・リッジが今回一番激しく動いた可能性が高い。陸側のスラスト・リッジ海底直視探査の各映像を分析した結果、海底面が大きく壊れている状況(別紙1)が明らかとなり、これは、 ・今回の地震で破壊された(時期の特定)
ことを示している。・この場所が特に強く揺れた(場所の特定) ・その大きさは重力加速度を超える強い揺れであった(強度の特定) この結果から、このような強い揺れを起こす要因として、 ・スラスト・リッジという地形効果
以上が推測される。・その直下に潜伏したスラスト断層(注3)があって、これが動いた ●なぜ大きな津波が生じたのか! 今回の地震では、バンダアチェをはじめとするスマトラ北西部で大きな津波を観測した。一方、短期観測用海底地震計のデータ解析(別紙2)から、余震活動は、主にアチェ海盆の直下で起こっており、今回の地震で破壊された下限域を示唆してくれる。これによって、地震に伴う断層破壊面の実態が浮かび上がった。その特徴は、今回の津波と関連しており、以下の点について解明することができた。
【今後の予定】 長期観測用の海底地震計のデータや未解析の短期観測用地震計のデータ等を解析し、200km弱のすべりの範囲を特定するとともに、シミュレーションを行うことにより、詳細な発生メカニズムを把握する。これにより我が国においても発生が予想される東海、東南海地震等の大地震の発生予測に資する。 << 用語解説 >>
問い合わせ先 海洋研究開発機構 地球内部変動研究センタープログラムディレクター 東 垣 TEL046-867-9310 総務部普及・広報課長 高橋 賢一 TEL046-867-9066 FAX046-867-9055 ホームページ http://www.jamstec.go.jp/ |