平成17年8月10日
海洋研究開発機構
インドネシア技術評価応用庁

インドネシア・スマトラ島沖緊急調査における
長期型海底地震計の回収について
 
1.概要
 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)は、インドネシア技術評価応用庁(BPPT)と共同で、同庁が有する海洋調査船「Baruna Jaya㈵」を用い、平成17年度科学技術振興調整費「緊急に対応を必要とする研究開発等」プログラム(課題名: スマトラ島沖大地震及びインド洋津波被害に関する緊急調査研究)に基づき、インドネシア・スマトラ島沖の震源海域周辺において、余震観測のため設置した長期型海底地震計2台(別図)の回収航海を実施し、1台を回収しました(平成17年7月27日〜8月10日)。回収した地震計のデータを解析することにより、スマトラ沖における地震活動を理解するために重要な情報が得られることとなります。





 
2.経緯
(1)設置
 文部科学省の平成16年度科学技術振興調整費「緊急に対応を必要とする研究開発等」プログラム(課題名: スマトラ島沖大地震及びインド洋津波被害に関する緊急調査研究)により、海洋研究開発機構は東京大学地震研究所と共同して19台の海底地震計(内、短期型海底地震計17台(16年度回収済)、長期型海底地震計2台)を設置しました。
(2)回収
 今回の長期型海底地震計2台の回収航海では、別紙のLT-1の回収は成功しましたが、LT-2は8月1日に錘切り離し後、離底は確認されたものの複雑な潮流の影響により所在が不明となり、その後、捜索を続けていますが発見できていません。
 この長期型海底地震計は漂流している可能性が高いと考えられますので、「Baruna Jaya I」より航行船舶等への回収・連絡依頼を周知しています。

 
3.今後の予定
 設置後約5か月間に観測されたデータは、昨年12月のスマトラ沖地震の余震活動と今年3月に発生したスマトラ沖地震前後の地震活動を理解するために重要な情報となります。
 今回回収した震源近傍に設置された長期型海底地震計(LT-1)データについては、すでに回収済みの短期型海底地震計のデータや陸域データと合わせて解析を行います。これによって、さらに詳細な一連のスマトラ沖地震前後の地震活動と地震断層面の把握を行います。


 
※長期型海底地震計について
 長期型海底地震計(別図)は大きさ(直径50cm)、重さ(空中70kg 水中-10kg)で反射テープが貼られた橙色の耐圧球殻の中に3成分の地震計とレコーダおよびバッテリーが内蔵されており、音響信号により錘を切り離し浮上・回収する設計となっています。

 
 

  問い合わせ先
  独立行政法人海洋研究開発機構
  地球内部変動研究センター
 
     プレート挙動解析研究プログラム 金田 義行
 TEL045-778-5389
 
   経営企画室 報道室 大嶋 真司  
     TEL046-867-9193  
    ホームページ http://www.jamstec.go.jp/