平成17年11月10日
海洋研究開発機構
漂流した米国の気象・海洋観測ブイの回収に成功
-日米間の海洋観測協力に貢献-
 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)は、漂流中の米国海洋大気局太平洋海洋環境研究所(NOAA/PMEL)所有の気象・海洋観測用繋留系(図1 KEOブイ)を、平成17年11月10日に、北緯31度46分、東経145度0分の海域(図2)で回収しましたのでお知らせいたします。

 日本東方の黒潮続流域周辺では、海洋気候に重要な海面熱フラックス(熱流量)の研究が海洋研究開発機構とNOAA/PMELの協力のもと進められています。NOAA/PMELでは、昨年6月から風向風速・気温・湿度・放射など海上気象観測と海中での水温・流向流速観測を行い、取得データを準リアルタイムで世界に配信しています。海洋研究開発機構でも平成18年度から同海域における海面熱フラックスの繋留観測を行う計画です。

 今回、NOAA/PMELの気象・海洋観測用繋留系にトラブルが発生し、11月7日頃から漂流を始めました。米国側からの依頼を受け、海洋研究開発機構では黒潮の熱フラックスを観測中の海洋調査船「かいよう」を急遽漂流現場に派遣し、漂流中の繋留系の捜索と回収を行うこととしました。

 11月10日未明から捜索を開始し、海面ブイを発見。同日8時8分に海面ブイを回収し(北緯31度46分、東経145度0分)、10時31分に海中部のセンサー・ケーブル類の回収を終えました。回収された繋留系は1000mを越える長さでした。繋留系は11月下旬に横須賀帰港時に米国側に引き渡す予定です。

問い合せ先
独立行政法人海洋研究開発機構
経営企画室 報道室長 大嶋 真司
 Tel.: 046-867-9193, FAX: 046-867-9199
 URL: http://www.jamstec.go.jp
地球環境観測研究センター 研究推進室長 宮下 貴志
 Tel.: 046-867-9419, FAX: 046-867-9372
 URL: http://www.jamstec.go.jp/iorgc/