<特別講演者のご紹介>

寺崎誠(てらざきまこと) 東京大学海洋研究所長
 1968年に東京大学海洋研究所プランクトン部門に大学院生として入所して以来、毛顎動物の生物学的研究やシロザケ稚魚の食性に関する研究、鉛直多層式プランクトン採集器(VMPS)の開発等に携わってきた。東京大学海洋研究所の海洋科学国際共同研究センター長、大槌臨海研究センター長、国際沿岸海洋研究センター長を経て、平成17年4月から現職となる。
 本特別講演では「白鳳丸」「淡青丸」2隻の学術研究船の平成16-17年度の調査航海について、概要及びトピックスを講演する。

山本郁夫(やまもといくお)海洋研究開発機構 海洋工学センター・自律型無人探査機技術研究グループ グループリーダー
 「生物運動型潜水機(BIO〜MANOEUVERING TYPE UNDERWATER VEHICLE)の開発」が第32回フランス国際FESTIVAL MONDIAL DE L'IMAGE SOUS〜MARINE において、最優秀デザイン賞として世界的に評価されている2005年ARCHIPELAEGO賞を受賞。同賞は海洋分野の最優秀の設計者に送られるもの。
 本特別講演では、上記魚ロボット及び昨年3月に巡航探査機の世界新記録航続距離317kmを達成した「うらしま」、各々について開発秘話を講演する。


<特別研究発表及び総合討論についてのご案内>

特別研究発表
(1) しんかいシンポジウム
 2004年末に発生したスマトラ島沖地震は近隣諸国に大きな被害をもたらした。当機構では、地震発生直後の2005年1月から3月にかけ、海洋調査船「なつしま」による海底地形調査、海底地震計による余震観測及び無人探査機「ハイパードルフィン」による海底のハイビジョン撮影等を行った。本発表では、この調査航海の結果を述べる。


(2) みらいシンポジウム
 世界最大の科学掘削船である地球深部探査船「ちきゅう」の試験運用が開始され、その一環として平成17年11月に下北半島沖で実施された水圧式ピストンコアリングにより、水深1,200mの海底下からコア(地層の柱状試料)の採取に成功した。本発表ではこの話題を中心に、水圧式ピストンコアリングについて発表する。

総合討論:第二回「日本における海洋研究船運用の現状と将来への提言展望に関するシンポジウム」
 世界における海洋研究の現状と展望をふまえ、海洋研究の将来における日本の研究調査船のあるべき姿について議論する。今回は東京大学海洋研究所で行われた第一回シンポジウムを引き継ぎ、とくに文部科学省に所属する研究調査船に焦点をしぼり、各分野からの現場研究者の声を交え、今後の研究調査船のあり方と効率的な運用システムについて討論する。