平成18年8月24日
独立行政法人海洋研究開発機構

地球深部探査船「ちきゅう」下北半島東方沖掘削試験について(速報)
〜試験状況報告  コア試料採取〜

   海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)の地球深部探査船「ちきゅう」は、下北半島東方沖(八戸市北東沖約100km)の試験・訓練海域(図-1)において、掘削試験を継続中です。
    8月6日の出港後、各種の機器作動確認試験、掘削準備作業を実施した後、 試料(コア)採取システムを用いて、海底下365mまで掘削・試料採取試験を実施し、
ほぼ100%の試料回収に成功しました(図-2)。当海域海底下には、事前調査においてメタンハイドレートの存在が予測されていましたが、今回採取された試料中には粒子間充填型※1のメタンハイドレートが含まれると思われる物質が確認されました(図-3)。
    今後は以下の予定で、本船初のライザー掘削の実施とともに科学掘削の最深となる掘削深度約2,200mを目指します。

(今後の主な試験予定)
8月下旬: BOP(噴出防止装置)設置等
9月上旬: ライザーパイプ及びBOPの降下・設置・緊急離脱試験
9月中旬: ライザー掘削によるコア採取試験
10月上旬頃: 海底下約2,200mへの到達
※1
粒子間充填型:メタンハイドレート存在形態の型のひとつ。火山灰層など粗粒地層の粒子間にメタンハイドレートが浸み込んだ状態で存在している。他に海底表面分布型、団塊状・板状型などの分布型がある。

お問い合わせ先

独立行政法人海洋研究開発機構

(「ちきゅう」、掘削試験について)
地球深部探査センター
  企画調整室長     田中 武男   TEL:045-778-5640
(報道について)
経営企画室
  報道室長      大嶋 真司   TEL:046-867-9193