(参考資料 1)

平成19年3月15日
独立行政法人海洋研究開発機構

有人潜水調査船「しんかい6500」について

1.仕様等

  • 全長:9.5m、幅:2.7m、高さ:3.2m
  • 空中重量:25.8トン
  • 最大潜航深度:6500m
  • 乗員数:3名(パイロット2名、研究者1名)
  • 耐圧殻内径:2.0m(直径)
  • 通常潜航時間:9時間
  • 建造費:約125億円
  • 運用費:約5億円/年
  • 年間潜航回数:68回(平成17年度実績)

2.特徴

  • (1)専用の支援母船(「よこすか」)による運航により、科学的調査の確実な推進
  • (2)有人潜水船による最深潜航記録を18年間保持
  • (3)取得した深海画像・映像を公開
  • (4)パイロット・副パイロット2名による運航方式による安全運航
  • (5)潜水船と支援母船間の音響画像伝送技術を確立

3.主な成果

成  果 潜航番号
1986年   基本設計開始       
1987年 5月 建造開始  
1989年 1月 着水(三菱重工業神戸造船所)  
  8月 総合海上試運転にて潜航深度6527mを記録  
1990年 4月 皇太子殿下をお迎えして竣工式典開催(東京 晴海)  
  6月 静岡県伊東沖水深5mにて沈降試験 1
1991年 5月 調査潜航開始(日本海奥尻海嶺 水深2727m) 48
  7月 三陸沖日本海溝にて世界最深の冷水湧出帯生物群集(ナギナタシロウリガイ)を発見 (水深6364m) 63
    三陸沖日本海溝海側斜面にて新種好圧菌(Moritella japonica DSK1)の発見(水深6500m) 64
    三陸沖日本海溝海側斜面にて海底の裂け目(マネキン頭部)を発見(水深6270m) 67
1991年 8月
〜11月
太平洋北フィジー海盆にて初の海外調査(日仏共同STARMER計画)実施
:延々と続く枕状溶岩の海底を撮影(水深1970〜3900m)
73〜100
1992年 6月 琉球海溝にて新種好圧菌(Shewanella violacea DSS12)の発見(水深5118m)
→2003年世界初の好圧菌ゲノム解析を終了、発見に伴う論文は現在100本以上
123
  10月 伊豆・小笠原の鳥島沖にて鯨骨生物群集を発見(水深4037m) 148
  11月 マリアナトラフ熱水活動域にて黄金色のアルビンガイ撮影(水深3604〜3630m) 155
1994年 6月
〜11月
大西洋中央海嶺と東太平洋海膨にて調査潜航(MODE'94)実施
:大西洋中央海嶺TAG熱水マウンドにて大規模熱水活動の撮影
ブラックスモーカーに群がるツノナシオハラエビの大群(水深3632〜3710m)を撮影
:ガラパゴスハオリムシを撮影(水深2634m)
:東太平洋海膨にてユノハナガニの抱卵シーンを撮影(水深2606〜2652m)
201〜260
216〜230
217 239
254
1995年 10月
〜11月
太平洋マヌス海盆にて潜航調査実施
:ホワイトスモーカーと金色のチムニーを撮影(水深1708m)
294〜308
301
1997年 6月 三陸沖日本海溝にて多毛類生物を発見(水深6360m) 373
  7月
〜9月
東太平洋海膨にて海底長期観測(リッジフラックス計画)実施 375〜398
1998年 6月
〜11月
大西洋中央海嶺と南西インド洋海嶺他にて調査潜航(MODE'98)を実施
(7月)リスボン海洋博に参加
(9月)インド洋で有人潜水船として初めての潜航
(10月)南西インド洋海嶺にて熱水噴出活動の兆候確認(水深2692m)
→2000年8月「かいこう」により熱水噴出活動発見
(11月)南西インド洋海嶺にて新種の巨大イカを発見(水深1055m〜5362m)
(ミズヒキイカの仲間とヒゲダコの仲間を撮影)
415〜468 444
456〜457 460〜468
1999年 8月
〜9月
ハワイ諸島周辺海底火山調査潜航実施
:海底火山ロイヒ周辺にて枕状溶岩撮影(水深2460〜4821m)
490〜518
2001年 12月
〜2月
南西インド洋海嶺及びインド洋中央海嶺調査潜航実施 643〜665
2002年 7月
〜8月
ハワイ諸島周辺海底火山調査潜航実施 686〜715
  10月 インドネシアジャワ島南西沖調査潜航実施
:地震の痕跡と思われる断層撮影(水深2092〜2102m)
:インドネシア大統領メガワティ氏訪船
716〜728
719
2003年 3月 毛利宇宙飛行士、南西諸島にて潜航調査 (水深6500m) 733
2004年 5月 沖縄トラフにて深海底下堆積物中に液体二酸化炭素プールを発見(水深1370〜1385m) 822
  7月
〜9月
太平洋大航海「NIRAI KANAI」調査の中心として活躍
:東太平洋海膨海域にて世界最大の海底溶岩流(340km2以上)を発見(水深3024m)
828〜859
834
2005年 12月 相模湾にて生きたままの深海生物を「シャトルエレベータ」により捕獲に成功(水深1215m) 914
2006年 1月
〜2月
インド洋中央海嶺にてスケーリーフットの生態を深海底の熱水活動環境において観察(水深2420m〜3394m) 928〜937
2007年 3月 第1000回潜航  
  • 乗船研究者数:延べ806人(第993回潜航まで)
  • 撮影映像数:写真21万枚、ビデオ約3700本
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