プレスリリース


プレスリリース

2008年03月06日
独立行政法人海洋研究開発機構

「みらい」・「かいれい」就航10周年記念イベントの開催について

海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)は、今年度就航後10周年を迎えた海洋地球研究船「みらい」および深海調査研究船「かいれい」の業績を記念し、研究成果を広く一般に周知することを目的として、以下のとおり記念シンポジウムと一般公開を開催いたします。

【記念シンポジウム】

1.日時: 平成20年3月29日(土)10:00〜15:00
2.場所: 日石横浜ホール(横浜市中区桜木町一丁目1番地8)(別紙1参照
3.テーマ: 「北極海からマリアナ海溝まで -挑戦し続けた10年-」
4.内容: 別紙2参照
5.事前登録・入場料: 入場料は無料ですが、下記要領にて事前登録をお願いたします。

<お申し込み方法>

1) メール本文に住所、電話番号、氏名を記入の上、件名「みらい・かいれい10周年記念シンポジウム」として pr@jamstec.go.jp 宛にお送り下さい。
2) 往復はがきに住所、電話番号、氏名、返信宛名を記入の上、
〒236-0001
神奈川県横浜市金沢区昭和町3173-25
海洋研究開発機構「みらい・かいれい10周年記念シンポジウム」係
宛までお申し込み下さい。
申込者1名につき1枚のはがきが必要です。
<締切> 平成20年3月25日(火)(必着)
※先着順です。定員に達した場合、締切前に締め切る場合がございます。
6.主催: 独立行政法人海洋研究開発機構
7.後援(予定): 文部科学省、海上保安庁、神奈川県、横浜市

【一般公開】

1.日時: 平成20年3月30日(日)10:00〜16:30(16:00乗船受付終了)
2.場所: 横浜港新港埠頭5号岸壁、8号岸壁(別紙1参照
3.テーマ: 「みなとみらいで研究船に乗ろう!」
4.公開内容: 海洋地球研究船「みらい」
深海調査研究船「かいれい」(別添1参照
5.事前登録・入場料: 事前登録は不要です。また、入場は無料です。
6.主催: 独立行政法人海洋研究開発機構
7.後援(予定): 文部科学省、海上保安庁、神奈川県、横浜市
8.その他: 1)悪天候等により中止となることがあります。
2)船内は段差が多く危険なため、ハイヒール・サンダル等での、または酒気を帯びての見学はご遠慮ください。
3)小学生以下は、保護者が必ず同伴ください。

※インターネットでのご確認には以下のURLをご覧ください。
http://www.jamstec.go.jp/j/pr/ship/20080329-30_yokohama/index.html

別紙1

【シンポジウム会場】日石横浜ホールへのアクセス

JR京浜東北・根岸線、横浜市営地下鉄「桜木町」駅から 徒歩4分

【一般公開会場】横浜新港埠頭へのアクセス 

みなとみらい線「馬車道駅」徒歩8分 JR・市営地下鉄「桜木町駅」から 汽車道経由徒歩15分

別紙2

北極海からマリアナ海溝まで -挑戦し続けた10年-
「みらい」・「かいれい」就航10周年記念シンポジウム

<主な講演内容>

(平成20年3月29日(土) 10:00〜15:00 日石横浜ホール 最大400席)

<第一部>

「『みらい』の10大成果」
瀧澤 隆俊(JAMSTEC海洋地球情報部 部長)
「Global Hydrography」
深澤 理郎(JAMSTEC地球環境観測研究センター センター長)
「『かいれい』の10大科学成果」
藤岡 換太郎(JAMSTEC海洋地球情報部 特任上席研究員)
「『かいれい』の大陸棚画定調査ならびに海溝型巨大地震震源域調査への貢献」
金田 義行(JAMSTEC海底地震・津波ネットワーク開発部 部長)

<第二部>

「『みらい』・『かいれい』建造の経緯」
土屋 利雄(JAMSTEC情報基盤審議役)
「『みらい』10年の軌跡」
赤嶺 正治(「みらい」船長、株式会社 グローバルオーシャンディベロップメント)
「『かいれい』10年の軌跡」
湯川 修(日本海洋事業株式会社 取締役安全技術室長)
「これからの海洋調査船」
平 啓介(琉球大学 副学長)
基調講演「海洋調査 −過去・現在・未来−」
加藤 茂(海上保安庁 海洋情報部 部長)

別添2:講演者経歴

別添1

【海洋地球研究船「みらい」】

主要目
全長 :128m
:19m
深さ(第2甲板) :10.5m
喫水 :6.9m
国際総トン数 :8,687トン
航海速力 :約16ノット
航続距離 :約12,000マイル
定員 :80名(乗組員34名,研究者46名)
主推進機関 :ディーゼル機関1,838kW×4基
  推進電動機700kW×2基
主推進方式 :可変ピッチプロペラ×2軸

「みらい」は、海水温度、塩分濃度や潮流を計測することで海洋の熱循環、大気と海との二酸化炭素の循環メカニズム、プランクトンなどの生態系、海底の堆積物などを調べたり、海洋観測ブイの配備が主な役割で、略歴は以下の通り。
1995年 原子力船「むつ」の船体を受領し、ディーゼル電気推進方式への改造を開始。
1997年 竣工披露式。
1998年 トライトンブイ1号機設置。最初の北極海研究航海を実施。
2003年 南半球周航観測航海(BEAGLE2003)にて、約500か所での海水採取を含む海洋観測を実施。


【深海調査研究船「かいれい」】

主要目
全長 :104m
:16m
深さ(第2甲板) :7.3m
喫水 :4.5m
国際総トン数 :4,628トン
航海速力 :約16ノット
航続距離 :約9,600マイル
定員 :60名(乗組員29名,研究者等31名)
主推進機関 :ディーゼル機関2,206kW×2基
主推進方式 :可変ピッチプロペラ×2軸

「かいれい」は、世界最深のマリアナ海溝チャレンジャー海淵(水深10,911m)の潜航に成功した無人探査機「かいこう」の母船として建造され、現在は無人探査機「かいこう7000-II」の潜航支援、海底下深部構造の探査、深海底表面の探査という各々の調査目的に適合した調査機器を使い分けて調査を行っている。
略歴は以下の通り。
1996年 起工式
1997年 竣工披露式。南西諸島海域の調査で学童疎開船「対馬丸」の船体を確認。
1998年 「かいこう」がチャレンジャー海淵で「カイコウオオソコエビ」を採取。2002年までに同海溝で通算18回の潜航を実施。
2000年 「かいこう」はインド洋で初めての熱水活動と熱水噴出孔生物群集を発見。
2001年 ハワイ・ホノルル沖の「えひめ丸」沈没海域で遺留物を回収。
他に、本年まで大陸棚画定に係る海底下深部構造調査を毎年続けている。


別添2

【講演者経歴】

◯瀧澤 隆俊(たきざわ たかとし)海洋地球情報部長

北海道出身。専門は、極域海洋学(物理)。北海道大学にて理学博士を取得。1973年北海道大学低温科学研究所海洋学部門助手、助教授を経て、1992年海洋科学技術センター(現在の海洋研究開発機構)へ入所。海洋観測研究部主任研究員、研究主幹、海洋観測研究部長を経て、2004年地球環境観測研究センター地球温暖化情報観測研究プログラムディレクター。2006年4月より現職。

◯深澤 理郎(ふかさわ まさお)地球環境観測研究センター長

東京都出身。東京大学にて理学博士を取得。東京大学海洋研究所助手、東海大学海洋学部教授、海洋研究開発機構むつ研究所所長を経て、2007年4月より現職。専門は海洋物理学(サーモクライン理論)で、太平洋底の深層水に大規模な昇温があることを発見した。この発見は、太平洋の深層水の源である南極域における大気と海洋の熱交換に急激な変化があったことを示唆し、深層循環が10年スケールの気候変動にも大きく影響している可能性を示すものとして国際的にも高く評価されている。また、近年ではWOCE(世界海洋循環実験計画)再観測の国際枠組みを実現させたほか、CLIVAR(気候変動性・予測可能性研究計画)やIOCCP(国際海洋炭素調整プロジェクト)など、数々の国際海洋研究・観測計画のメンバーとして、海洋観測と海洋データ同化の進展に力を入れている。

◯藤岡 換太郎(ふじおか かんたろう)海洋地球情報部 特任上席研究員

1974年東京大学理学系大学院修士課程を修了、理学博士。東京大学海洋研究所、海洋科学技術センター深海研究部、Woods Hole海洋研究所、海洋研究開発機構極限環境生物プログラム、グローバルオーシャンディベロップメント、海洋研究開発機構地球内部変動研究センターを経て現職。専門は海洋地球科学。

 著書に「深海底の科学」(NHKブックス)、「深海のパイロット」(共著、光文社新書)、「伊豆弧の衝突」(編著、有隣新書)などがある。

◯金田 義行(かねだ よしゆき)海底地震・津波ネットワーク開発部長

1979年東京大学理学部研究科大学院地球物理専攻修士課程を修了後、石油公団 石油開発技術センターに入社。石油探査等の調査・データ処理技術開発に従事する。その後株式会社大林組技術研究所を経て現在の海洋研究開発機構に入所。現在は同機構海洋工学センター海底地震・津波ネットワーク開発部長として文部科学省からの委託研究「地震・津波観測監視システム」の構築に関するプロジェクトの指揮をとる。また南海トラフにて繰り返し発生する地震の短期予測を目指し、シミュレーション予測高精度化に関わるプロジェクトにも従事し、地震・津波における防災・減災活動にも積極的に取り組んでいる。

◯土屋 利雄(つちや としお)情報基盤審議役

1973年東海大学海洋学部卒業。東京工業大学にて学位取得、工学博士。

海洋科学技術センター(現海洋研究開発機構)において、主に潜水調査船や観測船の水中音響機器の開発、音響によるデータ伝送の研究に従事。また、音響トモグラフィシステムの開発,音波伝搬理論解析等を研究、その後「みらい」、「かいれい」の主任監督員として建造に従事。各種の海洋データ管理体制の確立,公開型データベース開発に関する業務に従事した。

◯赤嶺 正治(あかみね まさはる)海洋地球研究船「みらい」船長

大分県三重町生まれ。山口県の大島商船高等専門学校を卒業後、日本郵船へ入社。安全と効率的な船の運航を図るための、水路、気象、海象の調査業務と海上勤務を交互にこなす傍ら、海運経済、海運経営などで、日本大学や横浜市立大大学院に学び、96年、米パシフィックウエスタン大で「科学的操船手法」の研究により工学博士の学位を取得。81年から4年間、運輸省(当時)認可の研究機関で、主任研究員として海上交通や操船の調査研究に従事。93年、IMO(国際海事機関)のマラッカ海峡航行安全専門家委員会に日本政府代表として参画。日本と豪州を結ぶ石炭運搬船の船長も務めるなど、幅広い経歴を持つ。97年9月、日本郵船から出向し「みらい」の初代船長に就任。

◯湯川 修(ゆかわ おさむ)日本海洋事業株式会社 取締役安全技術室長

大阪府出身。1970年日本水産入社、航海士として鉱石船を皮切りに油槽船、すりみ母船に乗船。1990年には海洋調査業務に携わり、1991年より日本海洋事業株式会社の船長として、「なつしま」「かいよう」「よこすか」「かいれい」に各船に乗船。支援母船「よこすか」の建造、1997年には深海調査研究船「かいれい」建造に参加。38年間、船員として大半を海上で過ごした。現在は取締役安全技術室長として、船舶等の運航、潜航、調査観測作業の技術管理、調査研究、指導ならびにISMコード、ISO等に関する業務を統括している。

◯平 啓介(たいら けいすけ)琉球大学 副学長

1941年生まれ。1965年東京大学理学部卒業、1967年理学修士、同年東京大学海洋研究所助手。1980年助教授、1987年教授、1997-2001年所長。2002年日本学術振興会監事を経て2004年琉球大学監事に就任、2007年より現職。日本海洋学会長、ユネスコ国内委員、科学技術・学術審議会委員、同海洋開発分科会長などを歴任。現在、科学技術・学術審議会臨時委員。理学博士、東京大学名誉教授、専門は海洋物理学。

◯加藤 茂(かとう しげる)海上保安庁海洋情報部長

理学博士。1953年、神奈川県生まれ。1975年、東京都立大学理学部地理学科卒業。同年、海上保安庁入庁。水路部において測量船や潜水調査船によるわが国周辺の海底地形・地質調査に従事。水路部大陸棚調査室長、高知海上保安部長、内閣官房内閣参事官、海洋情報部技術・国際課長を経て現職。専門は、海底地形学、海底地質学。

お問い合わせ先:

(シンポジウム、一般公開について)
海洋地球情報部
広報課長 田代 省三 電話045-778-5400
(報道について)
経営企画室
報道室長 大嶋 真司 電話046-867-9193