プレスリリース


プレスリリース

2009年7月2日
独立行政法人海洋研究開発機構

海洋研究開発機構「地球環境シリーズ」講演会(第6回)
「海洋酸性化〜生態系への影響〜」の開催について

独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)の地球環境変動領域は、毎年「地球環境シリーズ」として講演会を開催しております。

この度、シリーズ第6回目となる講演会を下記のとおり開催しますので、お知らせします。

今年度の講演会のテーマは、「海洋酸性化」です。化石燃料の燃焼により大気中に増加した二酸化炭素は、地球温暖化をもたらしているだけではなく、海水に溶け込んで海水の化学的性質を変えつつあります。当講演会では、この問題に焦点をあて、「海洋酸性化」とは何かを解説し、酸性化の実態と海洋生態系への影響について研究成果を紹介するとともに、私たち社会への影響についても皆さんと一緒に考えたいと思います。

1.日 時 平成21年8月6日(木)13:00〜17:30(開場12:30)
2.会 場 国際連合大学 ウ・タント国際会議場(東京都渋谷区神宮前5-53-70)(別紙1
3.入場料 無料(事前登録制)
4.申 込 ホームページよりお申し込みいただくか講演会事務局までご連絡ください。
講演会Webサイト:http://www.jamstec.go.jp/rigc/j/sympo/2009/
事務局:海洋研究開発機構 研究支援部(担当:今村・菊池)
Tel:045-778-5700 Fax:045-778-5497
E-mail:rigc-sympo2009@jamstec.go.jp
5.主 催 独立行政法人海洋研究開発機構
6.後 援 文部科学省(予定)
7.総合司会 NHK解説主幹 室山哲也氏
8.プログラムおよび講演要旨:別紙2

別紙1

会場地図

国際連合大学 3F ウ・タント国際会議場
●JR渋谷駅より徒歩15分
●地下鉄表参道駅[B2]出口より徒歩8分

別紙2

「海洋酸性化〜生態系への影響〜」
プログラム

時間 タイトル・講演者
13:00-13:05 開会のご挨拶
加藤 康宏 海洋研究開発機構 理事長
13:05-13:10 はじめに
深澤 理郎 海洋研究開発機構 地球環境変動領域長
13:10-13:40 海洋酸性化とは何か
才野 敏郎 海洋研究開発機構 地球環境変動領域
物質循環研究プログラム
プログラムディレクター
13:40-14:10 海が酸性化すると生態系はどうなる?
千葉 早苗 海洋研究開発機構 地球環境変動領域
物質循環研究プログラム
海洋物質循環研究チーム チームリーダー
14:10-14:40 海洋酸性化の実態
村田 昌彦 海洋研究開発機構 地球環境変動領域
海洋環境変動研究プログラム
海洋循環研究チーム 主任研究員
14:40-15:30 休憩・パネル展示
15:30-16:00 地球史における酸性化イベントと生物
原田 尚美 海洋研究開発機構 地球環境変動領域
物質循環研究プログラム
古海洋環境研究チーム チームリーダー
16:00-16:30 海洋酸性化の予測
石田 明生 海洋研究開発機構 地球環境変動領域
物質循環研究プログラム
海洋生態系プロセス研究チーム 主任研究員
16:30-17:20 パネルディスカッション
杉崎 宏哉 水産総合研究センター中央水産研究所
海洋生産部 低次生産研究室長
Lindsay Dhugal 海洋研究開発機構 海洋・極限環境生物圏領域
海洋生物多様性研究プログラム
深海生態系研究チーム 技術研究主任
17:20-17:30 閉会のご挨拶
深澤 理郎 海洋研究開発機構 地球環境変動領域長
※会場ロビーにおいて最新の研究トピックスを紹介するパネル展示を行います。

講演要旨

講演者 講演タイトル・要旨
才野 敏郎
地球環境変動領域
物質循環研究プログラム
プログラムディレクター
「海洋酸性化とは何か」
海洋酸性化とは、本来わずかにアルカリ性である海水中に大気から二酸化炭素が溶け込んで、アルカリ性の度合いが低下(=酸性化)している現象です。海洋酸性化をより良く理解していただくためにまず、どうして海水が本来わずかにアルカリ性であるのか?二酸化炭素が溶け込むとどうして酸性化するのか?について説明します。
千葉 早苗
地球環境変動領域
物質循環研究プログラム
海洋物質循環研究チーム
チームリーダー
「海が酸性化すると生態系はどうなる?」
海の生物の多くは、生命の歴史の中で炭酸カルシウムを体にとりこむことによって進化してきました。海洋酸性化は、サンゴや貝類を含むそうした生物の生存を脅かしているかもしれません。講演では、海洋生態系と地球環境の関係についてお話しするとともに、海洋酸性化が生態系全体に与え得る影響について紹介します。
村田 昌彦
地球環境変動領域
海洋環境変動研究プログラム
海洋循環研究チーム
主任研究員
「海洋酸性化の実態」
海洋酸性化はどのように調べるのでしょうか。いくつかの指標がありますが、広くて深い海の酸性化の実態を知るためには、船を用いた採水が欠かせません。この講演では、海洋地球研究船「みらい」での最近数年間の観測結果を中心に、熱帯から極域、表面から深海までの酸性化の実態を紹介します。
原田 尚美
地球環境変動領域
物質循環研究プログラム
古海洋環境研究チーム
チームリーダー
「地球史における酸性化イベントと生物」
地球は海洋酸性化に直面したことが過去にもあったのでしょうか?さかのぼること約5500万年前、大気中の二酸化炭素濃度が急激に上昇した時代がありました。この時、海洋生物はどうなったのでしょう?過去の記録や実験室での飼育実験の結果から酸性化の中を強靭に生き延びようとする海洋生物の実態について紹介します。
石田 明生
地球環境変動領域
物質循環研究プログラム
海洋生態系プロセス研究チーム
主任研究員
「海洋酸性化の予測」
二酸化炭素濃度の上昇に伴って海の酸性化は将来どこまで進行するのか、生態系へどのような影響が考えられるのか、大きな問題となっています。講演では、近年進められてきた数値モデルを用いた予測結果を紹介し、二酸化炭素の排出をどこまで、どのように抑える必要があるかについてお話しします。

お問い合わせ先:

独立行政法人海洋研究開発機構
(講演会について)
研究支援部 支援第2課長 柴田 桂 TEL: 046-867-9590
(報道担当)
経営企画室 報道室長 中村 亘 TEL: 046-867-9193