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プレスリリース

2016年 1月 29日
国立大学法人東北大学大学院理学研究科
国立大学法人東北大学災害科学国際研究所
国立研究開発法人海洋研究開発機構

北海道〜関東地方の沖合で周期的なスロースリップを発見
-大地震の発生予測に新たな手がかり-

東北大学大学院理学研究科・東北大学災害科学国際研究所の内田直希助教、日野亮太教授、国立研究開発法人海洋研究開発機構の飯沼卓史研究員らのグループは、カリフォルニア大学バークレー校のローランド・バーグマン教授、ロバート・ナドー博士とともに、北海道〜関東地方の沖合のプレート境界断層の広い範囲で、周期的な「スロースリップ」が発生していることを地震および地殻変動データから発見しました。スロースリップは、人間が感じられるような揺れを起こさずにゆっくりと地中の断層がずれ動く現象ですが、これまで北海道・東北地方の太平洋側では広域にわたる周期的スロースリップの発生は知られていませんでした。今回発見されたスロースリップは、地域によって異なり、1〜6年の発生間隔を持ちます。その発生に同期してその地域でのM5以上の規模の大きな地震の活動が活発化しており、東北地方太平洋沖地震が発生した時期にも、三陸沖ではスリップが発生していました。このように周期的なスロースリップが発生しているときに大地震が起こりやすくなる傾向を活用すれば、それを地震・地殻変動観測で検知することによって、大地震発生時期の予測の高度化に貢献できる可能性があります。

この研究成果は、2016年1月29日の米国の科学雑誌「Science」電子版に掲載予定です。

詳細は東北大学のサイトをご覧下さい。

国立研究開発法人海洋研究開発機構
広報部 報道課長 野口 剛
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