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プレスリリース

2018年 5月 15日
国立大学法人静岡大学
国立研究開発法人海洋研究開発機構
国立大学法人東京大学大気海洋研究所

津波の発生した季節を貝殻から解明

静岡大学の北村晃寿教授,伊藤真実(学部生),海洋研究開発機構の坂井三郎技術研究員,東京大学の横山祐典教授,宮入陽介特任研究員らの研究グループは,世界で初めて,二枚貝の貝殻から津波の発生季節を特定しました。この方法は,日本や世界各国の地震・津波の対策に不可欠な「津波堆積物の研究」に新たな研究アプローチをもたらします。

2011年の東北地方太平洋沖地震や2004年のスマトラ沖地震は,マグニチュード9の巨大地震で,それに伴う巨大津波は沿岸地域に壊滅的な被害を与えました。巨大地震・津波は,発生頻度は低いものの,起きれば甚大な被害をもたらします。こうした激甚災害を軽減するには,巨大津波の履歴の解明が必須です。そのため,世界各地の,巨大津波の襲来の可能性のある地域で,津波堆積物の調査が行われています。そして,津波の規模や波源域の推定には,地点間での「津波堆積物層の対比」は最重要課題であり,放射性炭素年代測定法などが用いられています。本論では,従来の方法と合わせることで,対比の精度をより高めることのできる方法として,「二枚貝の貝殻の酸素同位体比に基づいた津波の発生季節の特定」という新たな方法を提示しました。そして,この方法で,石垣島で西暦1168-1330年に起きた津波が,秋に発生したことを明らかにしました。この研究成果は,国際誌Marine Geologyオンライン公開(オープンアクセス)されました。

詳細は静岡大学のサイトをご覧下さい。

国立研究開発法人海洋研究開発機構
広報部 報道課長 野口 剛
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