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プレスリリース

2021年 9月 13日
国立大学法人神戸大学
国立大学法人高知大学
国立研究開発法人海洋研究開発機構
株式会社マリン・ワーク・ジャパン

セルソーターによる円盤型珪藻の完全分離手法を確立
〜極域の海洋環境変動の高精度復元に道筋〜

神戸大学大学院海事科学研究科の井尻暁准教授、高知大学大学院修士課程修了生の泉孟氏、高知大学海洋コア総合研究センターの加藤悠爾研究員(JSPS-PD)、自然科学系理工学部門の池原実教授、海洋研究開発機構の諸野祐樹主任研究員、株式会社マリン・ワーク・ジャパンの寺田武志総括主任の研究グループは、セルソーターを用いた珪藻殻の形態別分離手法の開発を行い、円盤型珪藻の完全分離に成功しました。

この手法を用いて、南大洋(南極海)で採取された堆積物試料から円盤型珪藻を抽出して酸素安定同位体比を測定したところ、その酸素同位体比が、全球的な海洋環境変動の指標である底生有孔虫の酸素同位体標準曲線や、南極大陸で採取された氷床コアに記録された気温の変動と対比可能であることを明らかにしました。今後、この手法を用いることにより、過去の水温や塩分などの定量的なデータが少なかった南極や北極周辺(極域)の海洋環境の変動について正確なデータを得ることができ、極域の古海洋研究が飛躍的に進むことが期待されます。

この研究成果は、9月3日に、アメリカ化学会が発行する専門学術誌「ACS Earth and Space Chemistry」に掲載されました。

詳細は神戸大学のサイトをご覧下さい。

国立研究開発法人海洋研究開発機構
海洋科学技術戦略部 報道室
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