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 沖縄トラフ深海底で発見!
 世界初の「ブルースモーカー」

2007年1月23日

「ブルースモーカー」を発生させる
チムニー
「ブルースモーカー」を発生させるチムニー

「ブルースモーカー」(赤矢印)と
「ホワイトスモーカー」(黄矢印)
「ブルースモーカー」(赤矢印)と「ホワイトスモーカー」(黄矢印)

有人潜水調査船「しんかい6500」を用いた、石垣島の北西約50km付近の沖縄トラフ鳩間(はとま)海丘の熱水活動域(水深1,470m付近)の調査映像を解析した結果、熱水噴出孔(チムニー)から青色の熱水噴出物(ブルースモーカー)を発見しました。青色の熱水噴出物発見の報告はこれまでになく、世界で初めての発見であると考えられます。

同海域においてこれまで観察されたことがない白色の熱水噴出物(ホワイトスモーカー)も同時に見つかり、鳩間海丘の海底下でのマグマの活動が活発化していることが予想されます。 なぜ青く見えるのかに関しては、いくつかの理由が考えられます。熱水の色は熱水活動の物理・化学的なプロセスと密接に関係していることから、青色の熱水噴出物発見により、これまで知られていなかった熱水活動の物理・化学的なメカニズムが存在するものと考えられます。残念ながら、今回の調査だけでは原因の同定ができないため、今後、さらに調査・研究を進めていきます。

詳しくはプレスリリースで紹介しています。

「ブルースモーカー」はなぜ青く見えるのか?

これには、いくつかの理由が考えられています。熱水にシリカ(二酸化ケイ素)の粒子が含有されて「シリカコロイド」が生成されたというのがまず1つ。シリカコロイドは、波長の短い青色光を散乱させるので、噴出物が青く見えます。もう1つは、鉄や銅などの金属元素のイオンが水分子と結合して錯体(分子化合物)が形成されたから、というものです。この場合、鉄や銅のイオンが特定の色を吸収するため、残った色が透過・反射して見えるのです。