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 コラムミクロの世界   〜電子顕微鏡で探る地球・生命〜

2007年7月3日

光学顕微鏡では光を使うのに対し、電子顕微鏡では電子線を使って観察します。光に比べ、電子の波長は非常に短いため、光学顕微鏡では見ることのできない微細な構造を鮮明に観察することができます。電子線は空気中では自由に動くことができないため、装置内の電子線の通路は真空に保たれています。
JAMSTECの電子顕微鏡室には3台の電子顕微鏡があり、地学や海洋学、生物学など様々な分野の研究に活用されています。 3台はそれぞれ走査型電子顕微鏡(SEM)透過型電子顕微鏡(TEM)電子線マイクロアナライザー(EPMA)の3種類で、微生物の鞭毛や深海生物の組織観察、鉱物の元素分析など、研究目的によって使い分けています。
これまでの電子顕微鏡観察から得られたいくつかの研究成果をご紹介します。


情報提供 :  海洋工学センター・研究設備グループ
  植松 勝之




走査型電子顕微鏡(SEM)で見る

ハオリムシの幼生


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ミミイカの触腕とその吸盤


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透過型電子顕微鏡(TEM)で見る

細菌とその鞭毛構造


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シンカイヒバリガイの鰓(えら)の細胞


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電子線マイクロアナライザー(EPMA)で見る

(生物系)
ワカサギ耳石中のストロンチウム(Sr)分布像


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(地質系)
ヒマラヤざくろ石の元素マップ


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地震の化石シュードタキライトの反射電子像


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植松 勝之(うえまつ かつゆき)

電子顕微鏡一級技士
海洋工学センター 研究設備グループ
2003年、国内で87番目となる電子顕微鏡一級技士(電子顕微鏡特殊技術認定)を取得。

電子顕微鏡技術認定:電子顕微鏡の技術と知識の程度を評価する制度として(社)日本顕微鏡学会が年1回実施する電子顕微鏡技術認定試験(生物)で、二級技士認定試験と一級技士認定試験とがあります。1979年に本制度が開始されましたが、一級技士の取得者数はわずか93名(2007年6月現在)です。

(海洋地球情報部 広報課)