名古屋市科学館 西本学芸員による展示解説 「タテに地球を読む」

地球を知る「新たな世界への挑戦」

この展示フロアのコンセプトは?

私たちが暮らしていて感覚的に認識できる範囲はどのくらいでしょうか。私たちがふつう「地球環境」と言っているのは、宇宙と地球内部という2つの広大な環境の「境界」にすぎないくらいのエリアで、両方から影響を受けている場所といえます。ですから、地球環境を知るためには、宇宙環境と地下環境の両方を知る必要があるのです。この展示フロアでは、まずそのことを感じてほしいという狙いがありました。私たちが暮らす環境の「下の部分」が、深海地球内部の地下環境です。科学者・技術者らは地球環境を理解するため、この2つの環境を理解する研究に挑んでおり、それこそが科学のフロンティアといえないでしょうか。そんな「下の部分」に対する研究や技術と、そこで奮闘する人たちをもっと知ってもらいたいという思いを強く持っています。

ここがポイント!
ほとんどだれも気が付きませんが、展示フロアの床カーペットは、地球内部の上部・下部マントル、外核・内核を色分けしています。地殻は薄すぎたのでプレートの厚さとなる約100kmで色分けしました。
ここがポイント!
地球内部にもぐりこんで日本列島を地下から見上げます。日本地図が逆になっていることにご注目ください。1955年以降に起きた主な地震の震源分布も表現しています。
 
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