キーワード 「長さ10,000mのパイプで挑む!」

地球深部探査船「ちきゅう」が搭載するドリルパイプは全長10,000m。1本約10mのドリルパイプを船上で一本ずつ組み立て、暗黒の深海へ降下していきます。海洋科学掘削は、地球深部に直接アクセスすることができる唯一の手段といえます。探査船「ちきゅう」は、日米が主導し世界24カ国が参加する国際科学プログラムの主力船として、海底下に広がる未知の生命圏や海溝型巨大地震発生の仕組みなど、生きている地球の姿を明らかにするために研究航海を実施しています。
「ちきゅう」は、地球深部に到達するためにライザー掘削システムを採用した世界で唯一の科学探査船です。水深4,000mの大水深域で海底下約7,000mまで到達するための探査技術も開発中で、人類未踏のマントルへ向けた地球深部探査も国際的に計画が進められています。2005年に完成した「ちきゅう」という船名は、小中高生のみなさんからの応募でつけていただきました。
研究航海には、各国から選抜された科学者のチームが乗り込み、海底下から採取したコアと呼ばれる柱状の地質サンプルを船上で即座に分析します。2007年から研究航海を開始、紀伊半島沖において南海トラフ地震発生帯の掘削調査を行っています。また2010年には、沖縄の海底にある熱水生命圏への掘削調査を実施しました。来年以降には巨大地震発生帯への超深度掘削や下北半島八戸沖での石炭層生命圏掘削など未踏の地球深部への探査が予定されています。 全長は210m、高さ130m、総トン数は56,752トン。 白いその船体をホワイトスワンと呼ぶ海外の科学者もいるんですよ。

ちきゅう」情報サイトへ