沖縄トラフ熱水活動域「ちきゅう」掘削孔を利用した潜航調査計画 in NT10-17

航海レポート

2010年9月12日

沖縄再上陸

川口 慎介(JAMSTEC・プレカンブリアンエコシステムラボ)

NT10-17行動のため、沖縄入りしました。飛行機が那覇空港に降り立つ直前、左側方に那覇新港が見え、上空から「なつしま」の姿を確認することができました。一週間ぶりに会う「なつしま」は少し大きく感じられましたが、それはきっと出港に向けてボクの気持ちが高ぶっているせいなのでしょう。

ちきゅう」の方から進捗状況が随時レポートされてきており、それを「ふむふむ」と聞きながら、「なつしま」側でどのような調査をすることが最適か、妄想を膨らませつつ計画を練っています。また、今回の調査の目玉である掘削孔内設置型サンプル採取システム「カンダタシステム」も、運用担当の宮崎 淳一・JAMSTEC研究員(通称:ミヤジュンさん)とともに沖縄に上陸しています。「カンダタシステム」は11日に動作確認が行われ、あとは掘削孔にアプローチするのを待つのみだそうです。そんなミヤジュンさんは今頃、バンカーからのアプローチに夢中なはずです、たぶん。

「選ばれし者の恍惚と不安、二つ我にあり」

格 闘王・前田日明は第二次UWFの船出にあたって、ポール・ヴェルレーヌのこの言葉を引用し、その気持ちを表現しました。1977年の海底熱水活動発見以来、偉大なる先人の誰もが到達できなかった、海底下熱水微生物生態系をまさに捕まえようとする今のボクの気持ちは、この言葉に凝縮されている気がします。