沖縄トラフ熱水活動域「ちきゅう」掘削孔を利用した潜航調査計画 in NT10-17

航海レポート

2010年9月19日

台風のおかげ

川口 慎介(JAMSTEC・プレカンブリアンエコシステムラボ)

大型で勢力の強い台風11号が調査海域に接近したため、9/17の潜航調査後、「なつしま」は沖縄の名護湾に避難しました。13日の出港から毎日調査を続けている上に、コア処理・船上分析班は連日午前様で作業をしていましたから、台風からの避難はちょうど良い休暇となりました。

9/18夜にはここまでの試料の分析も一段落したので、乗組員・運航チーム・研究者が一堂に会し、中締めパーティーを開きました。船員さんの「海の男の武勇伝」や運航チームの「深海調査の裏歴史」を堪能し(もちろんココには書けない内容ばかりですが)、うっかり飲み過ぎてしまいました。9/19に目覚めると、「ちきゅう」も名護湾に避難してきていたので、皆で「なつしま」のアッパーデッキ(船の屋上部分)に出て、「ちきゅう」と記念撮影をしました。


「ちきゅう」をバックに記念撮影。右から順に三好、寺沢、宮島、岡部、そして化学分析に定評のある3年生の山上

「前半はいい出来だった。そして忘れよう。本当の挑戦はここからだ。」
安西先生の言葉です。NT10-17行動は、ここまで本当に順調に調査が進んできました。だからこそ、蓄積した疲労や調査への慣れから不用意な行動をせぬよう、今一度、気持ちを引き締めねばなりません。「なつしま」は9/19の夕方に名護湾を出発し、9/20にはいよいよ「ちきゅう」が作った掘削孔へのアプローチ調査を行う予定です。技術も、気力も、体力も、現場培養器も、持てるもの全て、全てを掘削孔においてこよう。