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日本はなぜ地震が多いのでしょうか。日本列島の周辺は4つものプレートがひしめき合い、太平洋プレートとフィリピン海プレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいます。こんな複雑な構造をしている場所は、地球上でほかにありません。海洋プレートが沈み込むとき、陸側のプレートも引きずり込まれていきます。陸側のプレートにひずみがたまっていき、それに耐え切れなくなると、プレートの境界が一気にすべって動きます。これが、巨大地震の発生です。
巨大地震の発生がイメージできましたか? 百聞は一見にしかず。「ブロックスライダー」で巨大地震発生の瞬間を見てみましょう。

ブロックスライダーをつくる

ブロックスライダーは、糸巻き、バネ、そりからなります。坂口主任のホームページ「四万十帯に便利」(http://www.arito.jp/)のなかの「坂口製作所」に詳しいつくり方が出ているので、参考にしてください。

坂口主任がつくったブロックスライダー。実験の様子は、上記ホームページでも見ることができます。

ブロックスライダーを動かす

糸を数十cm繰り出して、糸巻きのスイッチを入れてみましょう。すると、たとえば……。

糸巻きが回り始めると、バネが伸びていきます。そりは動きません。バネがどんどん伸びて限界に達すると、そりが一気にすべります。バネは縮み、そりはまた動かなくなります。さらに糸巻きを回し続けると、同じ動きが繰り返されます。シャクトリムシのようなこの動きは、「固着すべり」といいます。

ブロックスライダーと地震の関係を考える

糸巻きはプレートを移動させる力、バネは蓄積していく地殻のひずみ、そりはひずみが限界に達すると動く断層に、それぞれ対応しています。バネが伸びてそりが動いていない間は地震が起きていないとき、バネが伸び切ってそりがすべった瞬間が地震の発生です。そりがすべった距離は、地震の規模であるマグニチュードに対応します。

そりが、固着すべりを起こさずに、ずるずると動くこともあります。そのような動きを「安定すべり」といいます。プレートが安定すべりを起こしてスムーズに沈み込んでいけば、地震は起きません。そりの裏面の素材、重りの重さ、バネの強さなどをいろいろ変えて、どのような場合に固着すべりを起こすのか調べてみましょう。

応用! 地震の予知に挑戦

体育館や学校の廊下など広い場所でブロックスライダーを使い、連続して固着すべりを起こしてみましょう。糸を何秒間巻いたとき、そりが何cmすべったかを記録していきます。

糸を巻いた時間と、そりがすべった距離には、規則性があるのでしょうか。一定の規則があれば、糸をあと何秒巻いたらそりが何cmすべるか、予測ができます。つまり、いつ、どのくらいの大きさの地震が起きるのか、地震の予知ができることになります。逆に、何の規則性もなければ、地震の予知はできません。

ブロックスライダーの実験結果はどうなるでしょうか?

応用! 巨大ブロックスライダーで実験

そりをたくさんつくり、前後左右のそりをバネでつないだ巨大ブロックスライダーをつくって実験してみましょう。糸を巻いた長さと、どのそりが、どの方向にどれだけすべったかを記録していきます。

巨大ブロックスライダーの動きは、そりが1個の場合より複雑で、しかも毎回違うかもしれません。あるバネはまだ限界に達していなくても、隣のバネがきっかけとなってすべりだすこともあるからです。実際に地震を引き起こすプレート境界は、広さを持った面です。この巨大ブロックスライダーは、実際のプレート境界に近い状態を再現しています。

JAMSTECのスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」は、地震の発生メカニズムの解明においても活躍していますが、どのような計算をしているかご存じですか。実は、十数万個ものそりからなる超巨大ブロックスライダーをコンピュータのなかにつくり、それぞれに働く力などについて非常に精密な計算をしているのです。

単純だけれど奥が深いブロックスライダー。いろいろな実験に挑戦してみましょう。

取材協力:
坂口有人 地球内部変動研究センター
プレート挙動解析研究プログラム 技術研究主任

海と地球の情報誌「Blue Earth」 2008年7-8月号より抜粋>