海をたずねて -地球とわたしたち-

第2回 世界の海で地球を探る

研究船・調査船

学術研究船「白鳳丸」を使った調査で、長年なぞとされてきたニホンウナギの産卵場がグアム島の北西だとわかりました。海洋地球研究船「みらい」は地球環境の変化を調べるのに役立っています。今回は、世界の海を旅して地球をさぐる船の紹介です。

「みらい」地球温暖化を探る

「みらい」は、海と地球温暖化についてさぐる船です。元は原子力で進む「むつ」という名前の船でしたが、ディーゼルエンジンにつみかえて「みらい」として生まれかわりました。「みらい」は海洋観測船としては世界でも有数の大きさで、「ブイ」とよばれる観測装置をたくさんつみこむことができます。ブイは北極海や北太平洋に設置され、データを集めて地球環境を調べています。

海洋地球研究船「みらい」

地球温暖化や海の生態系のひみつをさぐる目的でつくられました
長さ:128.6メートル
幅 :19.0メートル
重さ:8687トン
定員:80人(乗組員34人、研究員28人、観測員18人)

北極海を調査

「ブイ」とよばれる観測装置を設置して、地球環境を調べています


「かいれい」無人探査機の母船

深海調査研究船「かいれい」は現在、無人探査機「かいこう7000-II」の母船として活躍中。1999年には無人探査機「かいこう」で、打ち上げに失敗して海にしずんだ「H2ロケット8号機」をさがしだしました。また、海底地形を調べるための装置もつんでおり、海上を進みながら、水深の約2倍の範囲の海の海底地形図をつくることもできます。

深海調査研究船「かいれい」

無人探査機「かいこう7000-II」の母船であり、海底の地形を調査する設備もそなえています

深海調査のイメージ図

「かいこう」は海にしずんだ「H2ロケット8号機」をさがしだしました。深海調査は、いまは「かいこう7000-II」が役目を引きついでいます


「白鳳丸」研究や調査に活躍

「白鳳丸」は特定の目的を持たない研究船です。研究内容は大学などから応募を受けつけています。2005年6月には東京大学の研究グループが、ニホンウナギの産卵場を調査するのに使いました。「白鳳丸」でマリアナ諸島西方沖を進み、「スルガ海山」で孵化後2〜5日のニホンウナギの幼生をつかまえることに成功しています。

学術研究船「白鳳丸」

決まった目的を持たず、さまざまな研究で使われます。2005年6月の東京大学の調査では、ニホンウナギのふるさとがグアム島の北西約200キロの「スルガ海山」であるとつきとめました
長さ:100.0メートル
幅 :16.2メートル
重さ:3987トン
定員:89人(乗組員54人、研究者など35人)


「かいよう」潜水実験を支える

海洋調査船「かいよう」には広い甲板があり、波の影響を受けにくい特徴があります。2隻の細長い潜水艦に上から板をかぶせたような形で、双胴船といいます。ダイバーが水深300メートルまでもぐる潜水実験用の船として八五年につくられました。もぐったときと、船に上がったときの環境がちがいすぎると、ダイバーは体をこわしてしまいます。そのため船の中に水深300メートルと同じ圧力がかかる部屋をつくり、もぐったときと、船にいるときの環境がほぼ同じになるようにしました。この深海潜水の技術は90年までに実用化され、瀬戸大橋の橋脚をつくる水中作業などに利用されました。

海洋調査船「かいよう」

2隻の船(図の赤い部分)に甲板をかぶせたような形です。甲板が広いので、たくさん装置をつめます
長さ:61.6メートル
幅 :28.0メートル
重さ:3385トン
定員:60人(乗組員29人、研究者など31人)

潜水実験

水深300メートルの潜水実験のようす。海中作業のための実験です。海上で「かいよう」がダイバーをささえました


※このページの内容は、2006年4月20日に朝日小学生新聞に掲載された記事の抜粋です。内容は、掲載当時のものであり、現在の状況とは異なる場合もありますので、あらかじめご了承ください。