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海をたずねて -地球とわたしたち-

第3回 地震研究に大きな役割

有人潜水調査船「しんかい6500」

地震が多い国、日本。その地震を知るために、深海を調査する「しんかい6500」がつくられました。仕組みはどのようになっているのか、見てみましょう。

2時間半で水深6000メートルへ  海底地形の変化など調査。

地球内部の特定の部分でゆがみがたまり、そのエネルギーが一気に解放されて地面をゆらすのが地震です。エネルギーが放出された場所には、ゆがみをもとにもどそうとしてできた断層(地層の食いちがい)ができます。

海洋科学技術審議会(いまの海洋開発審議会)は1968年、この断層などを調べ、地震についてさぐる船が日本に必要だとの意見をまとめました。調査のためには深海6000メートルまでもぐる能力が要求されましたが、当時の日本の技術では600メートルまでがやっと。まずは2000メートルをめざすことになりました。

81年、有人潜水調査船「しんかい2000」が完成。支援母船「なつしま」につまれて日本各地の海に行き、2000メートルまでもぐることができました。地震に関連する海底地形や、海底鉱物資源の調査などで活躍しました。

有人潜水調査船「しんかい2000」

1981年に完成した水深2000メートルまでもぐる船です
長さ:9.3メートル
幅 :3.0メートル
重さ:24トン
定員:3人(パイロットふたり、研究者ひとり)


「しんかい2000」でつちかった技術をもとに90年、「しんかい6500」が誕生。日本の東側には日本海溝など6000メートルをこえる海溝(細長くくぼんだ深い海の底)があるため、6500メートルが目標でした。完成前の試運転では、6527メートルまでもぐっています。

深海作業のイメージ図

マニュピレーターをつかって深海生物をとるなどします

断層

しんかい6500が日本海溝で見つけました


「しんかい6500」は長さ9.5メートル、最大時速約4.6キロです。深海調査は、海底にとどまって、できるだけ近くから物を見る必要があるため、小型であまり速度の出ない船になりました。重りをかかえて海底にもぐり、調査が終わったら重りをはなして浮上します。6000メートルまでもぐるのに約2時間半。もぐり始めてから調査してうかび上がるまで、全部で約8時間水中にいることができます。


「しんかい6500」は「よこすか」を支援母船に、これまで900回以上深海を調査。日本のまわりだけでなく、太平洋、大西洋、インド洋などを回っており、地震や深海生物などの研究に大きな役割をはたしています。

支援母船「よこすか」

しんかい6500をつんで、調査する海へ運びます
長さ:105.2メートル
幅 :16.0メートル
重さ:4439トン
定員:60人(乗組員など45人、研究者15人)

コックピット

しんかい6500のコックピットです。探査に使う機器がぎっしり


国際化が進んでいる海洋研究

地球表面の7割をしめる海は、わたしたちの生活と深くかかわっています。たとえば、気象予報にも海が関係してきます。
 太平洋、大西洋、インド洋などと名前がつけられていますが、国境はありません。UNESCOという国連の機関がまとめ役で、各国の海の研究所が海洋調査をしています。
 世界中の海の研究所が、手をつないで調査し、水温や塩分なども共通の観測データとしています。海の観測は、沿岸の国々の協力がないとできないため、海洋調査はもっとも国際化が進んでいる分野かもしれません。
 各国にまたがる海を積極的に調べている海洋研究所が5機関あり、世界の5大海洋研究所とよんでいます。アメリカには太平洋側にスクリップス海洋研究所、大西洋側にウッズホール海洋研究所があります。ウッズホール海洋研究所では潜水調査船「アルビン」が活躍しています。ヨーロッパにはフランスにイフレメール海洋研究所があって、水深6000メートルまでもぐれる潜水調査船「ノチール」=写真、イフレメール海洋研究所提供=が深海を調べています。ロシアにはシルショフ海洋研究所があり、5隻の潜水調査船を運航。水深6000メートルまでもぐれる2隻の双子潜水調査船「ミール」は映画でも活躍しています。
 JAMSTECもこれらの海洋研究所と肩をならべて、「しんかい6500」や8隻の海洋調査船などを年間300日以上運航し、海洋研究に力をつくしています。

※このページの内容は、2006年5月4日に朝日小学生新聞に掲載された記事の抜粋です。内容は、掲載当時のものであり、現在の状況とは異なる場合もありますので、あらかじめご了承ください。