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海をたずねて -地球とわたしたち-

第4回 危険な場所も暗やみも

無人探査機

人が乗りこむ「しんかい6500」とちがって、無人で深海を調査する探査機があります。乗組員に気を使わなくてもいいなどの利点があり、いろんな調査が可能です。どんな無人探査機があるのか、見てみましょう。

人間の手届かぬ世界 自在に探るロボット

「あの海を調査してきなさい」と命令すれば、自動で目的を達成できるような船ができないだろうか――。そのための技術開発のひとつとしてつくられたのが、深海巡航探査機「うらしま」です。

「うらしま」はコンピューターによって自動でコースを進む潜水機です。燃料電池がエネルギー源で、2005年に無人潜水機では世界新記録となる317キロの連続航走記録を打ち立てました。海底火山など危険なためいままで近よれなかった場所の調査も「うらしま」でできるようになりました。

深海巡航探査機「うらしま」

水素ガスと酸素を用いる燃料電池をエネルギー源に、コースを自動で進みます。
長さ:9.7メートル 幅:1.3メートル 重さ:10トン
もぐれる深さ:3500メートル



「ハイパードルフィン」(ドルフィンは英語でイルカのこと)は、水深3000メートルまでもぐる水中ロボットです。

 船とケーブルでつながっていて、「ハイパードルフィン」のカメラがうつした映像を船上で見ながら操縦します。水深3000メートルともなると、日光がとどかず真っ暗な世界です。しかし「ハイパードルフィン」のカメラは、くらやみの中でも深海魚や海底などをきれいにうつすことができます。観測以外にも、マニピュレーター(人間の手にかわる機械)を使って、採集や実験をします。

ハイパードルフィン

高性能のカメラで、たくさんの深海生物の写真をとっています
長さ:3.0メートル 幅:2.0メートル
高さ:2.3メートル 重さ:3.8トン
もぐれる深さ:3000メートル

しんかい6500

ハイパードルフィンがとらえた姿です。



世界でもっとも深い場所は、日本の南にあるマリアナ海溝チャレンジャー海淵で、水深約1万900メートルです。世界でもっとも高い山、エベレストの高さは8848メートルなので、エベレストをひっくりかえしてもチャレンジャー海淵の底にはとどきません。そのチャレンジャー海淵で、無人探査機「かいこう」は1998年、「カイコウオオソコエビ」の採取に成功しました。

「かいこう」は支援母船とケーブルでつながって深海までもぐる親子合体式海中ロボットで、乗組員がいないことを生かし、小さな体で小回りがきく、電力もたくさん使えて力仕事が可能などの特徴がありました。99年には海底にしずんだ「H2ロケット8号機」をさがしだすなどの活躍をしましたが、2003年、事故で子機の「ビークル」をうしなってしまいました。

1万メートル以上の深海で活動

「かいこう」は世界でもっとも深いマリアナ海溝チャレンジャー海淵で深海生物などを採取するのに成功しました。写真右下はチャレンジャー海淵で採取したカイコウオオソコエビ。



「かいこう」のかわりに開発されたのが「かいこう7000」です。ほかの無人探査機を改造して新しい「ビークル」として取りつけた以外は、「かいこう」をそのまま使っています。もぐれる深さは7000メートルまでになってしまいましたが、この深さまでもぐれるロボットは世界でも数台しかなく、活躍が期待されています。

「かいこう7000」のウインチシステム

長さ1万2000メートルの1次ケーブルをまいています。「かいこう7000」を水深7000メートルまでもぐらせるのに、約2時間かかります。


海と地球をもっと知りたい君に

海をテーマに総合学習できるように、JAMSTECの学習ページ「海のほしと私たち」では、「海の生物と私たちの暮らし」「地球の歴史と私たち」などをテーマ別にまとめています。
わたしたちは空気をすって、地上を歩いているので、ふだんは海をあまり意識していないかもしれません。
しかし、空気中の大切な酸素は、大昔の地球でまだ陸上に生き物がいないころ、海の中の小さな生き物が光合成を何億年もすることによってできたものです。そして酸素ができたおかげでオゾン層もでき、そのオゾン層が地上にふりそそぐ強い紫外線を弱めてくれたことで、地上も生き物が生きられる環境になったのです。ですから海の生き物が、人の住める地球環境をつくってくれたといっていいでしょう。
「海のほしと私たち」を見ていくと、そういった海と地球のかかわりや、海がわたしたちのくらしにどうかかわっているか、などがわかります。海が大好きなあなたは、ぜひのぞいてみてください。

※このページの内容は、2006年5月18日に朝日小学生新聞に掲載された記事の抜粋です。内容は、掲載当時のものであり、現在の状況とは異なる場合もありますので、あらかじめご了承ください。