海をたずねて -地球とわたしたち-

第10回 環境に合わせ姿さまざま

深海生物(1)

暗く、冷たい深海の底にもおどろくほどたくさんの種類の生き物がいます。深海の住人は、環境に適応するために、いろんな特徴をそなえています。今回から、3回の予定で深海生物を紹介します。

水深200メートル以下は暗やみの世界

光合成ができるのは、水深約200メートルまでです。それより下を深海といい、くらやみの世界です。深海は、以前には生物がすんでいないと考えられていました。

ところが1867年、海洋動物学者のプーテイルがアメリカ・フロリダ沖の水深約940メートルから生物の採取に成功。第二次世界大戦後のデンマークの調査では、1万メートルをこす「超深海」にも、生物がいることがわかり、海のもっとも深い地点は約1万1000メートルのため、「生物のいない海は存在しない」ことが明らかになりました。

深くなるにつれて目は退化 1000メートル以下では口が大きく

くらやみの世界だと、生き物たちの目はどうなると思いますか?水深1000〜2000メートルあたりでは、大きな目を持つものと、目が退化してしまったものと、両方います。まだかすかに明るい世界で、見ようとがんばった生き物と、あきらめてしまった生き物、ということでしょうか。もっと深いまっくらやみの世界になると、目が退化した生き物がふえてきます。

色は、まだ浅いところでは、海中で見えにくい性質の赤い生き物がいますが、だんだんと白や黒、灰色の生き物ばかりになっていきます。

水深1000メートル以下では、水温はほとんどかわらず三度以下です。口がとても大きい、おそろしい顔をした魚が多くなります。というのも、えさとなる生き物がこのあたりには少なく、見つけたら確実につかまえなければなりません。獲物をにがさず、丸のみにできるように口が大きくなっているのです。

深海生物は、目や口以外にも、深海の環境に合わせていろいろな特徴があります。その姿形から、くらしぶりも想像してみてください。


深海生物の分布

海で見つかる自由研究のテーマ

自由研究には観察、実験、探検などがありますが、身近なことから「小さな発見」をしてもらいたいと思います。自分で見つけた「小さな発見」から「大きな感動」がえられるものです。
海が近くにある人は、出かけてみましょう。波がよせる浜辺では貝殻がひろえ、磯ではいろいろな生き物にめぐり合えます。このような環境ではいろいろな課題が見つかります。
たとえば、潮の満ち引きにあわせて波遊びをしている「ナミノコガイ」のようすの観察。同じ浜辺に何回か通ってひろった貝殻を調べ、湾にすむ貝類で多い種や少ない種をリストにする(ビーチコーミングといいます)。磯ではカメラの位置を定めて、潮の満ち引きを撮影する、などがあります。
 実験では、海水から塩をつくってみるなどの第一歩から、ビニールやゴム製のふくろなどで安い携帯ラジオを密封し、水の入った容器に入れ、海水の中と真水の中では聞こえ方がちがうかためすといったものもあります。
探検では、近くの漁港で、とっている魚と生き物の種類や、そのとり方を漁師の方に聞いたり、調べたりして地域の漁業の理解を深めたり、お年よりに昔の漁業の話を聞いたりするのも、興味深い自由研究になるでしょう。
つりの好きな人は、つった魚の目、口、エラ、ヒレ、などを観察して、特徴を調べて絵をかいたり、大きさやつった場所を記録したりするのも海の生き物の理解を深めます。
JAMSTECのホームページには自由研究に役立つ情報がたくさんあるのでみなさんもぜひこのホームページで自由研究の課題を見つ けてください。

※このページの内容は、2006年8月10日に朝日小学生新聞に掲載された記事の抜粋です。内容は、掲載当時のものであり、現在の状況とは異なる場合もありますので、あらかじめご了承ください。