第11回 クラゲの世界見えてきた
深海生物(2)
深海(水深200メートルより下)には、クラゲの仲間もたくさんすんでいます。深海調査機器の発達で、これまでわからなかった生活のようすが明らかになってきました。今回は深海をただようクラゲたちを紹介します。
すき通る体の99パーセントは水分 光をかくし光をおとりに
海の平均の深さは、約3800メートル。海洋全体の90パーセント以上が、深海とよばれる部分でしめられており、さまざまな生き物たちがくらしています。
しかし、深海生物の研究はまだ始まったばかりです。以前は船からあみをおろして生き物をとっていましたが、泳ぎ回る生き物をつかまえるのはむずかしい上に、体がもろいものは、引きあげたときにはすでにこわれてしまっていることが多くありました。しかし、「しんかい6500」や「かいこう7000」、「ハイパードルフィン」などによって、生き物がくらすその場所で観察することができるようになりました。
ディープスタリアクラゲの仲間
水深660メートルでハイパードルフィン=写真右=に衝突した瞬間。大きなかさは、直径1メートル以上。
ハイパードルフィン
クラゲは、体の99パーセント以上が水分です。ゼラチン質の体をしており、たくさんの刺胞(獲物をさしてつかまえる道具)つきの触手があります。かさを持つクラゲだけではなく、細長いものもいます。大きさはさまざまで、数センチから、成長して40メートルにもなるクダクラゲの仲間が知られています。
ケムシクラゲの仲間
透明な部分が移動を担当し、右側の色のついた部分でえさをとります。えさをとる部分がのび、成長すると10メートルにもなるといわれています。長い体を持つことで、えさにありつく確率が上がります。水深740メートルで撮影
カブトクラゲの仲間
櫛板(くしいた)といわれる部分が光を反射して虹色に美しくかがやいています。大きさ約10センチ。水深700メートルで撮影
クラゲはすき通った体をしていますが、多くは胃袋にだけ色がついています。これは、発光生物を食べたときに光を外にもらさないようにするためです。深海では光っていると目立つので、外敵からねらわれやすくなるのをふせぐためといわれています。
一方、目立つ光をうまく利用しているクラゲもいます。ニジクラゲは、光っている触手を切りはなします。光をおとりに使って、おそいかかる敵からにげるのです。
ニジクラゲ
光る触手(しょくしゅ)を切りはなして、敵の目をそらせます。かさの大きさは数センチ程度。水深500メートルで撮影
クロカムリクラゲ
中央にある黒い部分が胃です。発光生物を食べても、外に光をもらしません。かさの大きさが20センチをこえるものもいます。水深650メートルで撮影
フウセンクラゲの仲間
触手(しょくしゅ)に刺胞(しほう)がなく、毒がありません。体はたいへんもろく、こわれやすいです。水深924メートルで撮影
ユビアシクラゲ
通称「ビッグレッド」。かさの下に立派な腕があります。腕の数は固体によってばらつきがあります。かさの直径約75センチ。水深1000メートルで撮影
深海にはこうしたクラゲたちの世界があることが、明らかになってきました。今後、「ハイパードルフィン」に搭載した高性能なカメラで、これらのクラゲたちのくらしぶりを、さらにくわしく解明することが期待されています。
光を使う深海の生き物
クラゲのほかにも、生きる上で光を活用している生き物たちがいます。水深数百メートルの深海にすむホタルイカ=写真上=は、発光器が光り、自分の影を消して身を守ります。チョウチンアンコウ=写真下=のように、光をおとりにして獲物をおびきよせるものもいます。ほかにも、光を通信手段として使う生き物もいるのでは、と考えられています。ホタルイカは水深700メートルで撮影。チョウチンアンコウは、あみで採集して船上で撮影
期待される「ちきゅう」の活躍
日本最大の地震被害となった関東大震災は、相模湾で地震の規模をしめすマグニチュード(M)7.9の大きな地震が発生し、地震による崩壊、津波、火事などで142万人をこえる多くの人々が亡くなった災害です。このような大きな地震は人々の生活を一変させてしまいます。
これまでの日本、世界の大きな地震をみてみましょう。
- 1.日本最大の地震は、1707年10月の宝永地震でM8.4でした。この年は富士山最後の大噴火も発生しています。
- 2.史上最大の地震は、1960年に南アメリカのチリで発生したM9.5のチリ地震です。このときは大きな津波も発生して太平洋を時速800キロものスピードで日本にもおしよせ、津波被害がでました。
- 3.史上最大の地震被害は、1556年に中国で発生した華県地震(M8)で、死者83万人以上にもたっしたことが記録されています。
- 4.史上最大の津波は、1958年7月にアラスカのリツヤ湾で、何と高さ525メートルの津波がおそったことが記録されています。
- 5.史上最大の津波被害は、まだ記憶に新しい2004年12月、インドネシア・スマトラ島北端沖で発生しました。30万人以上が被害にあいました。

ホームページ「ちきゅうキッズ」
地震の多くは、海底奥ふかくにある海洋プレートとよばれるものが原因で発生します。そのため、地球の奥ふかくまでほり進むことのできる地球深部探査船「ちきゅう」が、地震研究での活躍を期待されています。そのほかにも、地球内部体積の約8割をしめるマントルを人類史上初めて直接取り出したり、生命の起源に近づく微生物を研究したりなど、「ちきゅう」でしか挑戦できないことがあります。
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※このページの内容は、2006年8月24日に朝日小学生新聞に掲載された記事の抜粋です。内容は、掲載当時のものであり、現在の状況とは異なる場合もありますので、あらかじめご了承ください。