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海をたずねて -地球とわたしたち-

第13回 2100年の平均気温は?

未来の地球を予測

温暖化が進んでいるといわれ、地球の未来はどうなるんだろうと思ったことはありませんか?
JAMSTECは、スーパーコンピューターを使って100年後の地球環境を予測しています。海をくわしく知ることで、環境や気候を知る手助けとなるのです。


地球環境システム

海、大気、陸、生物がからみ合って、地球の環境が成り立っています。太陽から受け取るエネルギーは、場所によって大きくちがいますが、大気や海の循環で、地球全体に熱が運ばれるため、地球全体で生物に優しい気候になっていいます (図を拡大


厳しい環境の中で生きる姿 誕生と進化を探る手がかり

大気、海洋、陸地、生物が複雑にかかわり合って、いまの地球環境ができていま す。

中でも地球表面の7割をしめる海洋は、大きな影響力があります。海水は大気にくらべてあたたまりにくく、さめにくい性質があり、大気よりも1000倍も多くの熱をたくわえる ことができます。大気の温度変化を海がやわらげる働きをしているのです。

温暖化のしくみ

温室効果はなければ快適に過ごせないが、大きくなりすぎると温暖化が進んでしまいます。 現在の気候は適度な温室効果によって保たれているのです。図を拡大



また、二酸化炭素のような温室効果ガスをたくわえたり、運んだりするのも海の重要な役割です。海には、二酸化炭素が大気の50倍もとけています。

とはいえ、二酸化炭素は毎年ふえつづけています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第三次評価報告書によると、化石燃料(石油など)を使うことで、毎年63億トンも二酸化炭素が出ます。海と陸の生態系が吸収しても、約半分は大気にのこってしまうのです。19世紀半ばから、産業の発達などによって、それまでほぼ横ばいだった二酸化炭素の濃度が大幅に上昇、地球温暖化が進んでいます。

このままいくと、未来はどうなってしまうのでしょうか。

気温と降水量の予測結果

(CCSR/NIES/JAMSTEC/MEXT)

<温度変化>(左の図)
北極海では海面を覆う氷が温暖化によって融けて少なくなってしまうため気温の上昇が大きくなります。また、地球全体を見ると海上より陸上の方が全般に気温の上昇が大きいことが分かります。これは海水のほうが陸上の土などより熱を多くたくわえられるためです。

<降水変化>(右の図)
場所によっては、降水量が極端に増えたり減ったりするところが出てきます。(図を拡大



JAMSTECは東京大学、国立環境研究所と共同で、地球シミュレータというスーパーコンピューターを使って、100年後の地球環境を予測しました。

まず、気候を決める大気や海洋などの状態やお互いのかかわり合いを数式であらわし、コンピューター内に地球の気候を再現しました。さらに、IPCCが、未来の温室効果ガスの量はどうなるのか考えるために、いくつか未来社会のシナリオを用意しました。経済が大事か環境が大事か、また、世界がまとまるのか地域ごとに方針がちがうのか……。これらのシナリオごとに研究グループが2100年を予測。国際化が進み、経済を重視した場合は約4度、環境を重視した場合でも約3度、現在の地球の平均気温よりも上昇する結果が出ました。

過去1000年の平均気温

1961年~1990年の平均を0としたときの、気温のうつりかわり。ここ十数年間で急に気温が上がっています(図を拡大

過去1000年の二酸化炭素濃度

産業が発達し、石炭石油を消費することで二酸化炭素がふえています(図を拡大


この予測などをもとに、二酸化炭素をへらす目標などが、世界で話し合われます。各国で力を合わせて温暖化をふせぎ、予測よりもいい未来がつくれるでしょうか。

地球シミュレータ

大気や海洋、地球内部の動きを予測し、自然災害や気候変動などから人類を守るためのデータを得るためにつくられたスーパーコンピューターです (写真を拡大


地球の気温をかえるのは?
 気温に影響をあたえるものとして、人間の活動によるもの(人為起源/じんいきげん)、自然の影響によるもの(自然起源)とがあります。
 人為起源の代表が、石炭や石油などの化石燃料を燃やしたりすることによって大気に放出される二酸化炭素などの温室効果ガスです。一方、太陽活動の変化や火山の噴火などが自然起源で、例えば火山が噴火して火山灰が大気中に放出されると、太陽からの光の一部を上空で反射してしまい地表まで届く光が減ってしまうため、気温を下げるはたらきをし寒くなります。

JAMSTEC見学

 青い海と潮風、そして海越えの富士山、そんな日だまりの三浦半島(神奈川県)へきてみませんか。鎌倉や横須賀など海辺の街を散歩した後は、横須賀にあるJAMSTECの見学はいかがでしょうか?
 JAMSTECの横須賀本部には、潜水調査船「しんかい6500」の実物大模型があり、コックピットの中に入ることができます。内径2メートルというせまい中で、3人で8~9時間観察をつづけるというのは、たいへんな忍耐力と、深海の神秘をさぐる意気ごみがないとたえられません。みなさんにも、このせまさを体験してもらい、深海のきびしい環境を理解してもらいたいと思います。
横須賀本部での見学の様子  また、構内には深海の生物を飼育していますので、目のない深海のカニ「ユノハナガニ」、口も胃もない不思議な生き物「サツマハオリムシ」が見られます。
JAMSTECでは、横須賀本部をはじめ、横浜研究所、沖縄県GODACの3つの拠点で見学を受け付けています。ぜひみなさんでおこしください。


※このページの内容は、2006年9月21日に朝日小学生新聞に掲載された記事の抜粋です。内容は、掲載当時のものであり、現在の状況とは異なる場合もありますので、あらかじめご了承ください。